画像の品質は最高とは言いがたいが、1.9メガピクセルのカメラにしてはよいと思えるレベルだ。ロンドンを歩きながら撮影したテスト写真では、全体的に十分な露出であまりノイズのない十分明瞭な写真を撮影できた。確かに色味は素晴らしいとは言えないし、賞が取れるような写真は撮れないだろうが、時計のストラップに組み込まれたカメラとしては悪くない。
問題は撮影した写真をどうするかだ。ソーシャルアプリもメールソフトも入っていないため、写真をスマートフォンに送り、他の人にはそこからアップロードして見せるしかない。それをやるなら、そもそもスマートフォンのはるかに優秀なカメラを使った方がよいのではないだろうか。
このカメラは、720pの解像度で動画を撮影することもできる。露出とカラーバランスは写真のバイトほぼおなじで、全体的な品質はまったく悪いものではない。動画は15秒までしか撮影できないが、ペットの決定的な瞬間を撮るのに使うのであれば、おそらくこれで十分だろう。
GALAXY Gearには315mAhのバッテリが搭載されており、サムスンはこれで25時間動作するとしている。筆者が使ってみた経験から言えば、この数字は比較的正確だが、これはあまり多く使用しなかった場合のことだ。スマートウォッチの機能を時々しか使わないのであれば、バッテリを1日持たせるのに苦労することはないはずだ。
だが、手に入れたばかりの時は、おそらく嬉々としてカメラで写真を撮ったり、メッセージングの使い勝手を試してみたりするはずだ。その場合、夜には充電する必要があると考えておくべきだろう。スタンバイモードでは最大150時間使えることになっている。
25時間という時間は、スマートフォンとしては長いが、普通の時計がバッテリを交換すれば数年は持つことを考えれば、時計としては短い。多くの人にとっては、毎晩時計を充電するというのは煩わしいはずだ。特に、そのために専用の充電クレードルが必要になるとあってはなおのことだ。
時計が本当にスマートになるためには、スマートフォンのすべての機能にアクセスできる必要がある。電子メールとソーシャルネットワーキングは、どちらも絶対に必要な機能であり、毎回正しく動作する音声操作も重要だ。GALAXY Gearは、どのポイントでも十分な域に達していない。
開発会社が力を入れてくれなければ、GALAXY Gearの実用性は限られてくるだろう。適切なアプリが用意されて、電子メールを受信でき、ツイートを送信でき、さらにスマートフォンを生活に不可欠のツールにしたその他のスマートサービスが利用できるようになれば、このデバイスも同様に不可欠なツールになれるチャンスがある。
サムスンが製品の発売前に改善が必要であることを認めたというのは驚くべきことだが、確かにその通りだ。これだけの値段で、使える機能も限られており、対応するデバイスの数も少ないというのでは、GALAXY Gearはわれわれが期待したようなウェアラブルデバイスをリードする製品であるとは言えない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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