iMacの27インチ画面はマット仕上げではないものの、2012年のモデル以降、反射は低く抑えられている。Appleのディスプレイは常に明るくクリアであり、色再現性が高いため、Windowsを搭載した一部のオールインワン型PCのようにHDMI入力ポートを備えて、他のデバイスのディスプレイとしても利用できるようになってほしいと思う。
一部の人々はAppleのMacBook Airでは十分なポートや接続がサポートされていないとの不満を述べるかもしれない。しかし、その主張はこのiMacには当てはまらない。ディスプレイの筐体背面部には、4つのUSB 3.0ポートと、2つのThunderbolt/Mini DisplayPort、SDXCカードスロット、Ethernetポート、ヘッドフォンジャックが横1列に並んでいる。Thunderboltポートを使えば2台の外部モニタに接続できるという点を考えると、これ以上は必要とないと思えるはずだ。
ポートが並んでいる場所の少し上には、システムのRAM容量を変更する際に使用する小さなはめ込み式のふたがついている。ふたを開けるには電源ケーブルを取り外し、小さなリリースボタンを押さなければならない。ユーザーによってアクセスできるコンポーネントが少なくとも1つある点は素晴らしいが、多くのコンシューマーはハードディスク用のドライブベイにもアクセスしたいと思うはずだ。
Apple 27インチiMac (2013年9月) |
|
---|---|
ビデオ | Mini DisplayPort×2 |
オーディオ | ステレオスピーカー ヘッドフォン/マイク兼用ジャック |
データ | USB 3.0×4 SDXCカードスロット |
ネットワーク | Gigabit Ethernet 802.11ac Bluetooth 4.0 |
光学ドライブ | 非搭載 |
今回のレビューに使用したのは、27インチiMacの基本モデルとして用意されている2種類のうちのハイエンドモデルの方であり、それに1テラバイトのHDDと128GバイトのSSDストレージを組み合わせたFusion Driveを搭載したものだ。この構成は、フラッシュモジュールをより高速に動作させるために新規導入されたPCIe接続の利点を生かすものであり、合計価格は2199ドルとなっている。なお、このハイエンドモデルの標準構成ではストレージが1テラバイトのHDDとなっており、その価格は1999ドルである。また、基本モデル2種類のうち、低価格なモデルの方は1799ドルであり、それにはクロックを3.4GHzから3.2GHzに落としたIntelの「Core i5」が搭載されており、GPUはGeForce GTX 775Mではなくメモリ容量の少ないGeForce GT 755Mが搭載されている。
また、今回は21.5インチのiMacもアップデートされている。このモデルには、さらにクロックを落としたIntelのHaswell世代のCore i5が搭載されており、1299ドルの下位機種にはIntelの統合グラフィックスコアのみが搭載されている。
今回われわれがレビューしたモデルに搭載されている3.4GHzのCore i5は作業や、一連の作業を処理するうえで十分過ぎるほど高速に動作し、われわれが行った他のHaswellシステムのベンチマークテストでも同様の結果が出ている。ただ、このモデルにはCore i5が搭載されている一方、最近の高価なオールインワン型のシステムには、より高速なCore i7が搭載されている(こうした高額な製品では当然と捉える人もいるかもしれない)点が異なっている。なおiMacは、200ドルでCore i7にアップグレードすることが可能だ。
われわれの行ったベンチマークテストでは、Core i5を搭載したiMacはCore i7を搭載したオールインワン型デスクトップPCと互角に戦い、数カ月前に発売されたHaswell搭載の13インチMacBook Airよりもはるかに高速であった。ただマルチタスクのテストでは、使用した昨年のiMacがCore i7へとアップグレードされたものであったため、そちらの方が高速であった。
ゲーム専用機でもないこのモデルが、NVIDIAのGeForce GTX 775Mという比較的新しいハイパワーGPUを搭載しているのは素晴らしい。これによって、動画関係や写真関係のアプリケーションにメリットがもたらされるとともに、2つの外部ディスプレイを駆動できるようになる。さらに、Macのゲーマーたちも歓迎するだろう。SteamやGOG.comをはじめとするゲーム配信サイトでは充実したMacセクションが設けられるようになっているとともに、WindowsゲームのリリースからOS Xに移植されるまでのタイムラグも年単位ではなく数カ月単位になってきているのである。
2013年を代表する2つの素晴らしいゲーム「BioShock Infinite」と「Metro: Last Light」はいずれもMac版が入手できるものの、一部のユーザーは不完全なバージョンだと呼んでいる。われわれは、PCのベンチマークを行う際にこれらのゲームを使用しているものの、OS X版ではほとんどのグラフィックスオプションが利用できず、Mac版のBioShock Infiniteは解像度の上限が1600×900となっている。このiMacのディスプレイの解像度が2560×1440であることを考えると、これは残念な制約だ。しかしいずれのゲームも、グラフィックス設定を最高にしても満足にプレイできた。このため、より高解像度のディスプレイでもプレイできるようになり、豊富なグラフィックス設定がサポートされるようになることを期待したい。
また、2012年のiMacとの比較のために、「Call of Duty 4: Modern Warfare」を2560×1440というフル解像度の最高設定で実行すると89fpsで動作した。そして2012年モデルで同じゲームを実行すると、78.3fpsで動作した。なお、「Diablo III」をネイティブ解像度で実行すると、どちらのiMacもおよそ58fpsで動作した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス