カリフォルニア州メンローパーク発--Facebookは米国時間8月6日、「News Feed」のランキングアルゴリズムの詳細を明かし、古い投稿が上位に表示される理由や、ユーザーが閲覧したいであろう投稿を選択する際の判断基準について説明した。
News Feedランキング担当エンジニアリングマネージャーのLars Backstrom氏は、ユーザーが毎日Facebookに送信し、その中からNews Feedへの表示候補となる膨大な量の投稿をFacebookが分類する方法について説明した。ユーザーのNews Feedに表示する候補となる投稿は1日当たり平均1500件あるが、Facebookは、過去の投稿とその作成者に対するユーザーの反応を参照してユーザーがある投稿にどれだけ興味を持つかを推測するアルゴリズムに基づいて、約300件の投稿を挿入する。それぞれの投稿は点数を付けられ、その点数に応じて配置される。ユーザーが「Like」(いいね!)をクリックしたり、コメントを書いたりする回数が多ければ多いほど、Facebookが参照できるデータは多くなる。
最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏はよくNews Feedを「パーソナライズされた新聞」に例えるが、Backstrom氏もそれを踏襲して、「それは、パーソナライズ性が非常に高い。投稿した人物とユーザーの関係性や、ユーザーが過去にLikeした物事に基づいて、表示される投稿が決まる」と述べた。
Facebookがこれを実行する方法の1つが、「Story Bumping(投稿の格上げ)」と呼ばれる手法だ。投稿の格上げとは、News Feedの「スクロールしなければ見えない」部分に表示されたためにユーザーが見逃したかもしれない古い投稿をより高い位置に配置することだ。
「ユーザーが古い投稿を閲覧するのは本当に困難だ。既に閲覧した投稿をさかのぼってスクロールしていかなければならない」(Backstrom氏)
これらの変更を説明することで、Facebookはそうした変更を実施する理由をユーザーに知ってもらいたいと考えている。過去に実施されたさまざまな変更は、論争を巻き起こしてきた。プロダクトマネージャーのWill Cathcart氏によると、6日のイベントは投稿を格上げする手法の発表とタイミングを合わせて開催されたが、同社は今後もNews Feedへの変更について積極的に説明していく予定だという。Facebookはビジネスユーザーの懸念を鎮めるために、News Feedの変更について説明する新しいブログまで立ち上げた。
Backstrom氏によると、エンジニアリングチームは毎週会議を開いて、News Feedの改善方法について話し合っているという。投稿を格上げする手法を導入するため、エンジニアは3カ月をかけて、それをサポートするインフラストラクチャを構築した。その後、エンジニアリングチームは、Facebook従業員の80%に対して同機能を公開し、新しいランキングをテストした。このテストグループにおいて、コメント付け、Like付け、友人の投稿の共有は5%増加した。フォロワーを持つビジネス用ページやユーザーにとって、これらのエンゲージメントは8%増加した。また、テストグループは、投稿を57~70%多く閲覧していたとBackstrom氏は述べる。
アルゴリズムに対する他の変更としては「Last Actor」があり、これは、ユーザーがその友人と交わした直近のやりとり50件を考慮する。これらの機能はともに投入済みだ。Facebookは、ウェブ版において投稿の格上げを積極的に行う一方で、モバイル版への投入に向けて作業を進めている。同社は、Last Actor方式をウェブとモバイルの両方で採用している。
また、Backstrom氏は他の手法も説明したが、この手法は上手くいかなかったという。Backstrom氏によると、Facebookは、あるユーザーからの投稿をスコアに関係なく時系列に表示することをテストしたという。エンジニアリング側としては、この機能を最初からやり直す計画であり、その理由として、ユーザー間でのエンゲージメントが少ないという結果が得られたためとBackstrom氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス