ビル・ゲイツ氏がゲイツ財団で目指すもの--教育や貧困国支援、監視システムを語る - (page 3)

Dan Farber (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年07月22日 07時30分

 その解決策の中で大きな部分を占めるのは、合法性では疑問のある方法で米国家安全保障局(NSA)が行ったように、攻撃の阻止にテクノロジを役立てることだ。「科学者の少人数グループにも、文字通り何十億人をも殺せるものを作り出すことができる。われわれは、情報を正しく利用する信頼性の高い方法で、その種の意図しない結果をあらかじめ阻止する監視システムを受け入れる必要がある」(Gates氏)

 Gates氏はシリアで現在進行中の戦争で人々が亡くなっている悲劇的な状況について言及しながらも、予防できる病気によって毎年何百万人もの子どもが死亡していることへの認識が十分ではないと指摘した。Gates Foundationが設立された2000年には毎年1200万人の子どもが亡くなっていたが、新しいワクチンの開発によって、この数が700万人に減少していると同氏は語った。「今後15年間で、世界中が協力し合い必要なことを行えば、われわれはこの数を300万人以下にすることができるはずだ。わたしが生まれた年には、2000万人の子どもが亡くなっていた」(Gates氏)

 「若者の雇用適性、つまり子どもたちを教育して意味のある仕事に就けるようにし、やりがいが感じられないと思わないようにすることや、高齢化、医療費、政治的な機能不全など、取り組むべき問題はほかにたくさんあるという人もいるかもしれない。しかし子どもの死亡は、わたしにとって非常に重要性が高い問題だ」(Gates氏)

 Gates Foundationは同時に、貧しい国々で栄養不良や病気の影響を抑えることも目指している。そうした国々では、脳を発達させて知識によって社会に貢献することが十分にできない子どもが約40%にのぼる。「サハラ以南のアフリカでのIQの平均値は約82だ。それは遺伝や人種などとは全く関係がない。それは病気であり、病気がもたらす弊害である。それは、こうしたことが極端な貧困というわなにつながる理由である」(Gates氏)

 Gates Foundationは現時点では、手を差し伸べなければ救えなかったであろう1000万人の命を救ってきたとGates氏は述べた。今後10年間の同氏の目標は、5000万人の命を救うことだ。「貧困国に行けば、健康や教育、農業、統治の問題を解決したいと考える。そうした取り組みを魔法のように1つに混ぜ合わせれば、すべてが互いに良い影響を与え合うだろう」(Gates氏)

 Gates Foundationと、同財団が活用してきた新しいワクチンや種子のような技術革新も、人々や国が貧困からいち早く脱出するのを助ける魔法の組み合わせとなっている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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