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組織の透明力

賞賛と炎上を分けるもの - (page 3)

斉藤徹(ループス・コミュニケーションズ)2013年07月16日 12時09分
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自分の組織で炎上をシミュレーションしてみよう

 もう一度、チロルチョコの対応を思い出してみよう。彼らの持つ反射神経が貴社にはあるだろうか。あなたの所属する組織は、出会い頭のアクシデントに対して、誠実に、柔軟に、リアルタイムに対応する能力があるだろうか。トラブルや炎上は毎日のように現実社会で起きている。ぜひ、この事例を自分ごととしてとらえてみてほしい。

 そもそもソーシャルメディアに流れる自社の風評をこれだけ早く察知できる企業は少ないだろう。その上で過敏反応せず、製品の製造時期を調べ、幼虫の大きさから生後どれくらいかを推定する。また第三者の情報として業界団体のFAQ引用を決めた。そこまでで約1時間半。

 さらに投稿者への個人攻撃にならないよう配慮し、企業にとって難題である「お詫び」の添え方を十分に吟味した上でツイートしたのだ。トラブル発生から3時間。貴社にこの対応ができるだろうか。

 ここでは大企業が陥りやすい統制志向のわなを、チロルチョコが受けた災難をベースに予想してみたい。実際に企業内部で起こりがちな対話をシミュレーションしてみよう。

ツイッターの炎上を発見して

ソーシャル「部長、悪い報告なんですが、当社製品がツイッターで炎上してます」

マーケ部長「なんだと。すぐに関係する責任者を集めて緊急会議だ」

ソーシャル「広報部長と営業部長が外出していて、最短で夕方になります」

マーケ部長「じゃあ、それまでに報告書をまとめて会議の準備をしておいてくれ」

ソーシャル「ツイッターの対応はどうしますか?かなり炎上してますよ」

マーケ部長「まずいのはわかるが、部門横断マターだから一人じゃ動けないんだ」

ソーシャル「では、この製品の製造責任者などの方々も呼びましょうか?」

マーケ部長「製造部長とCS部長にも連絡して内容を報告しておいてくれ」

ソーシャル「わかりました」

そして夕方の会議にて

マーケ部長「今、彼から報告があった通り、ツイッターで大変なことになっています」

製造部長「なんだよ。これは単に家の中で虫が入ったんだよ。よくあるんですよ」

コンプラ「それを証明できますか?」

製造部長「ウチの工場を見てもらえば、こんな虫なんか入らないのがわかりますって」

CS部長「顧客サポートにクレーム電話がかかりっぱなしで。こんな事は初めてです」

広報部長「極めて深刻な事態だ。大至急、社長に報告する必要がありますね」

営業部長「これで売り上げが落ちたら、特殊要因ということで責任とってもらいますよ」

コンプラ「責任の所在はどの部署にありますか?」

製造部長「ウチは会社で定められた衛生基準にのっとって製造しているだけですよ」

マーケ部長「今、ネットでこの写真が広まって大変なことになってます。急がないと」

広報部長「社の一大事です。社長や弁護士と相談して最善の対応策を練りましょう」

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