第1回では、履歴書を提出して相手企業からの返事を待つ──といった従来の受身のやり方ではなく、日ごろからネットワーキングを行い、積極的に自己PRする“攻め”が必要であることを説明した。
デジタル時代の今、日本でも、履歴書はメールで送信したり、オンラインでアップロードしたりするのが一般的となっているが、米国では紙の履歴書を郵送することは滅多にないと言っていいだろう。1日に何百通どころか、何千通もの履歴書が届く企業は、紙の履歴書になど対応していられない。
米国のスターバックスでは、1年間に、6万5000のポストに対し7600万人、P&Gでは、2000のポストに対し100万人近くの応募があったといわれる。
最近では、ネット上に履歴書を掲載し、就職活動に役立てている人も増えている。ネット上に掲載すれば、時間や場所にとらわれず、一部の企業や担当者だけでなく、より多くの人々、極端にいえば世界中の人々に自分の履歴書を見てもらえる。とくにソーシャルメディア時代の今、ネットに掲載しておけば、URLを使って、さまざまな宣伝活動ができる。
さらにテキスト版と違い、字体の装飾だけでなく、写真やグラフィック、映像を挿入し、マルチメディアの履歴書を作ることもできるので、とくにクリエイティブな職種では、自分のスキルを証明する絶好の場だ。
オンライン履歴書では、HTML版だけでなく、テキスト版(スキャンまたはデータベース入力対応)、PDF版やワード版(印刷用)など複数のバージョンをサイトからダウンロードできるようにしている人もいる。こうすれば、サイトへの訪問者が各自好みのフォーマットで閲覧できる。
企業だけでなく、大学院の応募にもマルチメディアの利用が広がっている。米国の大学院、とくにビジネススクールでは、作文(エッセイ)を課するところが多いが、MITスローアンビジネススクールでは、エッセイの代わりに、マルチメディアでのプレゼンも許可している。
下記に、クリエイティブなオンライン(英文)履歴書をいくつか紹介しよう。
デンマークの国際派上級管理職の履歴書PDF版をダウンロードでき、履歴書やメディア掲載記事は、英語、デンマーク語、ドイツ語の3か国に対応。メニューは、Experience(経歴)、Achievements(実績)、Recommendations(推薦)、Resume(履歴書)、Press(プレス)、Blog(ブログ)から成り、Eポートフォリオにもなっている。
グラフィックデザイナーの履歴書入社したい会社があり、その企業に向けた履歴書で、ドメインも「ヘイ、ニューベルジウム(社名)、僕を雇うべき」。この履歴書のおかげで、他社から面接の通知が来たそう。
アマゾンのページを真似たフランスのウェブ製品マネジャーの履歴書@getglobal(日本語) @TweetinEng(英語)
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