米国では、10月末にハロウィーンが終わるとともに、店頭にはクリスマスギフトが並べられ、クリスマス商戦が開幕する。2012年、クリスマスシーズンの売上が伸び悩む中、11月26日のサイバーマンデーのオンライン売上は、前年比17%増で14億ドルを超え、12月21日までのオンライン売上も前年比16%増と、オンラインでの売上は好調だ。
そうした中、クリスマス商戦でのソーシャルメディアの利用も加速した。クリスマスセール情報をTwitterやFacebookで拡散するのは、もちろんのこと、セール商品を選ぶにあたり、ソーシャルメディアを通じて顧客の意見を取り入れる企業も登場している。
Facebookのファン数1000万人を有する米デパートのMacy's(メーシーズ)では、クリスマスシーズンに備え、秋に「どの色のジーンズを入庫すべきか」をFacebookでファンに質問。2500の「いいね」と750件のコメントが寄せられ、それによって入庫の色が決められた。
2500万人のファンを有するのWalmart(ウォルマート)では、10月から“Toyland Tuesday”を開始。Facebookで毎週、「どのオモチャを値引きするか」をファンに投票してもらい、翌火曜には同社4000店舗で、そのおもちゃが値引きされるという手法を取った。
アウトドア商品専門チェーンのGander Mountain(ガンダーマウンテン)では、顧客の参加度によって商品の価格が決まるというソーシャルメディアならではの販促を試みた。クリスマスシーズン中、毎週木曜、商品をFacebookやTwitterで友人らと共有する度合いによって、商品の価格が決まり、商品がより多くの人に共有されるほど、価格が下がるという仕組みだ。待っていれば50%まで値引きされるかもしれないが、その前に商品が品切れになるという可能性もあり、どの時点で購入するかを見極めなければならない、というゲーム性が取り入れられた。
利用者数では、世界に10億人を抱えるFacebookが圧倒的だが、商品を買う気にさせるという点ではPinterestに軍配が上がっており、最近の調査でも、FacebookやPinterestを利用するオンライン購入者のうち、「何を買うかアイデアを得るために利用する」のは、Facebookの17%に対し、Pinterestは70%という結果が出ている。Facebookでは、Facebook上でギフトを贈れるEコマース機能を追加したが、米国の全ユーザーに展開されたのは12月中旬で、クリスマス商戦に出遅れた。
そこで、クリスマス商戦にPinterestを利用した小売業者らが急増した。GAPでは、“PIN TO WIN”コンテストを開催。
これは、同社の商品をPinterestでピンをしたフォロワーのうち、毎週、5人に抽選で50ドルのギフトカードが当たるというものだ。
タッチパネル対応手袋販売のAglovesでも、同社をPinterestでフォローし、コンテストのページの画像とネット販売サイトのeBags.comに掲載されたAglovesの手袋をピンすると、抽選で20人に同社の手袋が当たるというPIN TO WINコンテストを行った。拡散を狙い、ピンする際には、「#Agloves #eBags をコメント欄に記載すること」という条件つきだ。
今年、掲載商品をフォローできる機能を加えるなどして、サイトにソーシャル性を加えたeBayは、クリスマス商戦中、英国でソーシャルショッピング・ストアをオープン。FacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャルメディアでの推薦商品とeBay独自の検索データに基き、ソーシャルメディアではクリスマスプレゼントに何が話題になっているか、商品トレンドはどうなっているかなどを3Dなどさまざまなテクノロジを用い、インタラクティブに披露した(参考URL)。
Amazonでも、Facebookの新機能「Gifts」に対抗してか、「Friends & Family Gifting」サービスを開始。Facebookのアカウントにリンクすることで、AmazonにリンクしているFacebookの友人の誕生日や「いいね」情報がインポートされ、それに基いてギフトが推薦されるというものだ。Amazonでは、新たに企業のブランドページも導入しており、Eコマースとソーシャルメディアの融合が進んでいる。
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