スマートウォッチの生産性が飛躍的に高まろうとしている。Googleは人工知能(AI)アシスタント「Gemini」を初めてユーザーの手首にもたらす。
Googleは米国時間7月9日、サムスンのGalaxy Unpackedイベントでこのニュースを発表した。同イベントではサムスンが新しい「Galaxy Watch8」シリーズのスマートウォッチも発表。Galaxy Watch8とGalaxy Watch8 Classicは、発売時にGeminiを搭載する最初のモデルとなる。7月中には、新しい「Pixel Watch」や「OnePlus Watch 3」、さらにOPPOや小米科技(シャオミ)のスマートウォッチにもGeminiが搭載される予定だ。
「Wear OS」のGeminiは、従来のアシスタントより自然に音声コマンドを処理するよう設計されているため、より砕けた話し方ができ、機械的な表現を使ったり同じ指示を何度も繰り返したりする必要がない。実際、より高速で会話的、そして以前のデジタルアシスタントより人間に近いものに感じられる。
私はGoogleのニューヨークオフィスを訪れ、OPPO、Google、サムスンのモデルを含む複数のスマートウォッチでGeminiが動作するライブデモを試した。その際、Geminiが長い思いつくままの質問にも途切れることなく対応する様子に感銘を受けた。
例えば私は「SNSでよく見るあのブルックリンの有名な橋は?」と尋ねると、Geminiはすぐに該当するランドマークを表示した。そこから「写真を見せて」と言うだけで橋の画像を表示し、名称を繰り返す必要はなかった。「そこへ連れて行って」と簡単に指示するだけで、経路が自動で表示された。
特に際立ったのは、Geminiが画面に表示された結果を処理する方法だ。従来のアシスタントが部分的な回答で止まったりウェブサイトへ案内したりする場面でも、Geminiは情報を自然な声で要約して読み上げたので、私はスマートウォッチを見る必要さえなかった。また、半熟卵の茹で時間を調べ、そのままタイマーを設定するといった複雑なタスクもこなした。
Geminiはメッセージの送信も簡素化した。通常は連絡先を開き、メッセージを口述し、確認するという複数のステップが必要だが、Geminiは1つの命令だけで対応できた。あるデモでは、担当者がGeminiに「ニューヨークで流行っている韓国料理店を探して、ローラに参加するか尋ねるメッセージを韓国語で送って」と指示したところ、Geminiはタスクを完了し、韓国語でメッセージを作成した。私は翻訳の正確性を直接確認できなかったが、担当社は正確だと明言した。
Geminiがスマートウォッチに搭載されるのは今回が初めてだが、スマートフォンではこの1年ですでに大きな存在感を示している。対応するAndroidスマートフォンでは、メッセージの下書き作成、メールの要約、スマートホーム機器の管理から、画像生成、AIによる写真編集、さらにはコードの記述といった高度な機能までこなす。多くの場合、バックグラウンドで動作し、ユーザーの操作に基づいて先回りの提案を行う。
Wear OS上では、Geminiはまだクラウド経由でリクエストを処理するため、スマホ、Wi-Fi、またはLTE経由で安定したインターネット接続が必要となる。オフラインでは利用できない。狙いは、スマートフォンを取り出すことなく、手首だけでより多くのことを実行できるようにすることだ。
Geminiはまず新型Galaxy Watchに導入され、数週間以内にWear OS 4以降を搭載するすべてのスマートウォッチに展開される。Geminiを搭載したスマートフォンとペアリングされていれば、自動でアップデートを受け取れる。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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