「これからは1人の営業担当者がヤフーのすべての広告商品を届ける体制になった。また開発についても、プレミアム広告とプロモーション広告をまとめて開発しますという体制にした。意思決定も早くなり、より価値の高いサービスを提供できるようになる」(高田氏)。
一方で課題もある。ヤフーでは新体制以降“爆速”をスローガンに掲げて、従来にはないスピードで新サービスのリリースや機能追加、企業との提携や買収などを進めてきた。これは広告事業でも同じだったが、結果的に「広告主を置いてきぼりにする側面もあった」と高田氏は振り返る。
「新体制になり開発は早まったが、広告主へのサポートが十分ではなかったことが反省点。大手の広告主は代理店がいるので運用できるが、中小の広告主は基本1人。それらの方に対して、ヤフーからきちんと事例を紹介したりサポートをしたりしていかないとギャップが生まれてしまう。ここは今後見直していく」(高田氏)。
スマートフォンへの対応も今後の課題だ。2012年度はスマートフォンへの出稿が急増したが、現在の広告メニューはバナー商品が中心。端末の画面サイズなどを考えるとPC向けの「トップインパクト」のようなリッチ広告を展開するのは難しい。高田氏は、スマートフォンならではの広告ソリューションも順次提供していきたいと語る。
「特にフォーマットの工夫をしたい。スマートフォンではアプリの広告をクリックするとページが切り替わってイラッとすることが多い。これは、PCでは一般的だったページ遷移がスマートフォンには合っていないからだと思う。今後はスマートフォンの広告もできるだけ1ページ内で完結させ、『この商品を買おう』と思ったタイミングで購入ページに遷移できるようにするべき」(高田氏)。
また、より端末の特性に合わせた広告ソリューションを提供したいという。たとえば、画面が小さいスマートフォン向けにはプロモーション広告(リスティング広告)を、画面が大きくよりリッチな表現が可能になるタブレット向けにはプレミアム広告(ディスプレイ広告)を、それぞれ最適化して提供するといった具合だ。
“201X年までに営業利益を2倍にする”と公約するヤフー。刷新した広告ソリューションでさらなる成長を狙う。
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