「iPhone 5」レビュー--デザインや機能、使用感など紹介(後編) - (page 5)

CNET News staff  翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 石橋啓一郎2012年10月04日 07時30分
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結論:iPhone 5を購入すべきなのは誰か

 もし2007年から現在にタイムトラベルしてきて、新型iPhoneを見たら、どう思うだろうか。見た目こそ初代のiPhoneと似てはいるが、ホームボタンを除くほとんどすべての部分が変わっており、スペックも向上している。別の例として、2008年の「MacBook Pro」を、2012年版(Retinaではないもの)と比較してみてほしい。外見は同じだが、中身はまったく変わっている。

 つまりこれは、ある形が再発明されているわけではなく、その形の完成に向けて進められているということだ。これは、iPhoneの新生だ。

提供:CNET
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 もちろん、消費者は必ずしもある形式の完成を望んでいるわけではない。彼らは、買い換える理由が欲しいのだ。そして今回は、明らかにそれに値する、しかも大きな理由がある。ただし、iPhone 4における「FaceTime」や、初代iPhoneの「マップ」の体験、あるいは全員が魅了されたわけではないiPhone 4Sの「Siri」と比べれば、目立った「魔法のような機能」があるわけではない。(Siriは今では改善されている)。今回のAppleは、「あなたが大好きだったiPhoneを覚えていますか。今回のiPhoneはあなたが気に入っていたものをすべて備えている上に、さらに良くなっています」と言っているように思える。

 今こそ、パーツを1つ1つ細かく見ていくのではなく、一歩下がってiPhone 5の全体像を評価すべき時が来たということだろう。iPhoneのどこを見ても、書き換えられたり、再デザインされたり、一新されたりしていない箇所はほとんど見当たらない。細部に対するこだわりは大変なもので、これは完全な見直しや大幅な改訂に匹敵する。面白いのは、テクノロジ好きな人たちの多くは、洗練されたものよりも、偉大だが初めての試みを好むということだ。そして、多くの一般消費者は、そのまったく逆をいっている。

 結論を言おう。われわれは2011年に、iPhoneには2つの大きな要素が欠けており、それは4G LTEとより大きな画面だと述べた。iPhone 5はその両方を持っており、それに加え新しいプロセッサ、新デザイン、iOS6を始めとして、他にも多くのものを備えている。iPhone 5は、過去最高のiPhoneなのだ。確かに、いくつかの機能については後追いになっているが、これはiPhoneに関してはいつものことだ。もしそれを知らなかったのだとすれば、これまで注意を払っていなかったのだろう。

提供:CNET
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 iPhone 5が2011年に登場していれば、未来がやってきたかのように感じただろう。それから1年間を経た2012年には、これは予想された通りの、驚きのないものに感じられる。しかし、それはiPhone 5が優れていないという意味ではない。4G LTEと画面の大型化に加え、以前と同じかそれ以上のバッテリ持続時間を保っているように見え、しかも軽量化された新型を出すというのは、大きな成果と言える。必要不可欠なデバイスに求められるのは、大きく大胆な実験よりも、洗練と改良だ。これは電話であり、遊園地のアトラクションではないのだから。

 もちろん私も、総じてiPhone 5に驚きが感じられないことに、不満を感じている。その原因の一端は、後に正しいことが明らかになった、果てしなく続いた新型iPhoneに関するうわさやリーク情報にある。また、モバイルコンピューティング業界の進歩があまりにも速く、競争相手が多いからでもある。Appleは、それらの企業の中の1つにすぎない。私は、新しく採用されたLightningドックコネクタを正当化できるだけの、高速な転送速度が欲しかった。魔法のようにPassbookと連動するNFC的な技術が欲しかった。長くなった新しい画面をうまく活用する、より賢く、賢明な新しいプルダウン通知画面やドックが欲しかった。私は、これまで思いつきもしなかったが、見た途端にそれなしではいられなくなるような何かが欲しかった。

提供:CNET
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 他のスマートフォンは新しいアイデアを詰め込もうとしているように見えるが、AppleはよりよいデザインのiPhoneを目指すという、より保守的な道を選んだ。将来の電話はどうなるのだろうと考えた人もいるだろう。iPhoneからは、先端性は失われてしまったのだろうか。今ではiPhoneが持っているものを提供する競合相手はいくらでもあるし、NFCやさらに大きな画面、感圧型のスタイラスなどを重視するのであれば、iPhoneを超えるものもある。私には、iPhoneは他のすべてのAndroidデバイスよりも優っているとは言えない。Androidスマートフォンはこれからも常に、悪い方向にも良い方向にも変わっていくはずだ。

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 私に言えるのは、iOSを選ぶのであれば、これを手に入れるべきだということだ。iPhone 5は、まるで1つのファミリの一部のように感じられる。iPhone 4、4S、5は、変化し続ける1つのデザインであり、iPhoneの進化を時系列で追ったものというよりは、1つの製品の品ぞろえを構成するもののように思えるのだ。近い将来、スマートフォンには新しい無線技術や、数多くの刺激的な周辺機器が出てくるだろうが、スマートフォンの形については、ラップトップと同様に、しばらくは変わらないと思われる。問題に対してうまいソリューションが見つかると、こういうことが起こる。iPhone 5は1つの形式を完成に近づけようとするものであり、存在しない問題に対するソリューションではない。

 iPhone 4ユーザーは、iPhone 5にアップグレードすべきだろう。iPhone 4Sを持っている人も、iPhone 5をゆっくり評価して、4G LTEが気に入るかどうか、または自分のエリアでLTEサービスが使えるかどうかによっては、購入してもいいだろう。

 iPhone 5を1週間使ってみて、私は画面が長くなったことを思い出さなくなった。これがどんなに薄いかも意識しなくなった。また、カメラの改良についても忘れてしまった。時には、4G LTEのことまで忘れてしまい、自分が無線LANでウェブを見ているのかと勘違いすることもあった。このiPhoneは定着し、自然に感じられ、出しゃばらない。以前のiPhone 4Sに戻ってみると、分厚く、重く、画面が小さくは感じられたが、デザインが劣っているとは思わなかった。どうしてかは分からないが、iPhone 5とiPhone 4Sは共存できるもののように感じられる。

提供:CNET
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 もし、人に見せびらかすためのガジェットや、驚くようなすごいものを探しているのなら、他のものを選んだ方がいいだろう。他の人は必ずiPhone 5を見たがり、あなたの手から奪い取るだろうということを除けばの話だが。しかし、もし非常に優れた、洗練されたスマートフォンが欲しいのなら、iPhone 5を選ぶべきだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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