(編集部注:米CNETによる「iOS 6」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。後編は9月26日の公開を予定しています)
Appleの「iOS 6」は、大変革というよりはインクリメンタルアップデートであるが、その200以上もの機能の中には、好ましいものが数多くある。新しい「Maps」や「Passbook」といったアプリや、「Siri」の新機能を除けば、変更のほとんどは小さなものだが、パッケージを全体として見ると、それぞれの部分以上の意味を持っている。
このアップデートによって、あなたの「iPhone」エクスペリエンスは、より良好で、より効率的で、使いやすいものになるだろう。確かに新機能の一部は、ほかのデバイスにはかなり前からあったもので、ほかのデバイスの方が優れている場合もあるが、それはさして重要なことではない。重要なのは、Appleが今回も、荒削りだった部分に磨きをかけて、全体として強固なエクスペリエンスを提供していることだ。
iOS搭載デバイスからは「Google Maps」がなくなった。Appleは独自の自社製アプリを用意しており、それには多くの面で大きな改善点がある。ベクターベースのグラフィックスによって、テキストや細部が読みやすくなり、スワイプによるパンや、2本指でのタッチによる回転といった操作は、フルズームにした場合でもどちらも非常に滑らかだ。
「iPhone 4S」「iPhone 5」そして新しい「iPad」といった、より新しいiOS搭載デバイスでは、3Dビューや、音声によるルート案内機能、「Flyover」機能も使うことができる。3DビューとFlyoverビューは、見た目が非常に美しく、現時点では数都市について、建物をあらゆる方向から、非常に高いフレームレートで詳しく表示できるようになっている。バーチャルツアーで都市をまわるのは、「テクノロジでこんなことができる」という観点では息を飲むような体験だが、日常的にiOS搭載デバイスを使う上で実際に有用かどうかという意味では、疑問の余地がある。筆者はこの機能が好きだし、実によくできていると思うが、この機能がサポートしている都市をすべて見てしまったら、友人に見せる以外には実際にどの程度使う機会があるだろうか。
だが、3Dビューには別の用途もある。音声によるルート案内機能では、ターンバイターンでの目的地へのルート案内を使う場合に、目的地を設定してから(新しいデバイスでは「Siri」の音声認識を使う)3Dに切り替えれば、見た目の良いイラスト表示にできる(iPhoneの場合はダッシュボードの上などに固定しておく)。iPhone 4S、iPhone 5、新しいiPadには、Siriがルートを読み上げる機能があるが、それ以前のデバイスでもルート案内機能は便利だ。ただしその場合は、次にどの方向を進めばよいかを知るには、デバイスにちらりと目をやる必要がある。
ターンバイターンのルート案内は、非常に便利で、考え抜かれてはいるものの、「Android」搭載スマートフォンにはだいぶ前からあった機能だ。しかしiOS 6にある多くの追加項目と同様に、それはほかのスマートフォンのユーザーにとっては新しいものではなくても、iOSデバイスユーザーには非常にうれしい機能だ。Mapsはリアルタイムの渋滞状況を利用して、車の流れが遅い場所を示すようになっており、最新の交通データに基づいて新たなルートを表示する。これもまた、スマートフォン向けの機能として目新しくはないが、iOSユーザーには非常に便利だろう。
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