「iPhone 5」レビュー--デザインや機能、使用感など紹介(後編) - (page 3)

CNET News staff  翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 石橋啓一郎2012年10月04日 07時30分
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 しかし足りない機能もたくさんある。MapsはもはやGoogleとは関係のないアプリになったため、「ストリートビュー」はなくなってしまった。Flyoverをストリートビューの代替とすることも不可能ではないが、Flyoverは一部の大都市でしか利用できない。このため、例えばインドのムンバイは平面のままであった。同様に、ロサンゼルス北部のサンフェルナンド・バレーや、ニューヨーク市周辺部も平面のままだった。また、ドライブや散歩のお伴としてルート案内機能を使うことができるものの、公共交通機関の乗り換え案内はなくなっている。バスの絵が描かれたアイコンをクリックすると、公共交通機関の情報を提供するアプリの一覧が表示され、そこから必要な情報が得られるようになっている。しかし、これはエレガントな解決策とは言えないだろう。

 そして、以前に組み込まれていたGoogleのMaps検索は、新たなYelpベースのものよりもずっと堅牢であった。「Mac repair」(Macの修理)を検索すると、「iOS 5」を搭載した筆者のiPhone 4Sはオフィスから数ブロック先にある有名なTekserveを結果として返してきたものの、iOS 6を搭載したiPhone 5は同じ検索結果を返すことができなかった。また、ある種の乗り換え情報や地図情報はかなり不正確なものとなっているようだ。AppleはMapsの改善を約束しているものの、検索結果の品質と地域情報の充実度は極上クラスのGoogleのMapsを前にすると色あせて見えてしまう。今回のMapsに搭載されている新機能が従来のMapsに組み込まれていたのであれば、すべては完璧になっていたはずだ。このため、少なくともこれらの問題が解決されるまでは、複数の地図アプリを使い分けるか、Googleのスタンドアロン版Mapsアプリの登場を待つほかないだろう。今のところ、Mapsはまだベータ段階のように感じられる状態であるため、Mapsに頼っている多くの人たちはこういった不具合が解消されるまで不便を強いられるはずだ。

 Appleのバーチャルウォレットである「Passbook」は、筆者がiPhone 5をテストし始めた時にはサービスが開始されていなかったものの、その後テストが可能になったため、試してみることにした。Passbookが目指している機能は、既に他のアプリで実現されているものの、アプリのバーチャルウォレットに自動的に追加できる特殊なPassbook形式のファイルを介することで、OSに統合され、一元化されたかたちでのウォレットを実現している。また、位置情報の考慮も行われるため、特定の場所に到着した際に適切なクーポンやチケットが表示されるようにもなっている。

提供:CNET
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 Passbook(そしてiPhone 5)に欠けているのは「NFC」、すなわち近距離無線通信機能である。この無線通信技術はサムスン電子の「GALAXY S III」をはじめとする多くのスマートフォンや、最近ではデスクトップPCやノートPCにも搭載されている。これによって個人的なファイルから、店舗での支払時におけるクレジットカード情報までのさまざまなデータを、すぐ近くのデバイスに送信することが可能になる。筆者は、iPhone 5にはPassbookとNFCが搭載されるだろうと考えていたものの、そうはならなかった。Appleは新たなテクノロジの採用に慎重な姿勢を見せる傾向があり、前面カメラや4G LTE、そして3Gですら、iPhoneに採用したのは、他の多くのスマートフォンが採用した後であった。またAppleは、よくある問題を解決する際に独自の手法を編み出すことも多い(ビデオチャットにおけるFaceTimeがその例だ)。iPhoneがバーチャルウォレットの秘めているあらゆる可能性を切り開いていないのは残念であるものの、普通の人間にとってはどうでもよい話なのかもしれない。しかも、キラーアプリがなく、対応する業者がいなければ、NFCは実用性に乏しいただのテクノロジでしかないはずだ。サムスンは既に、NFCデバイス間でデータをやり取りする「S Beam」という機能を採用しているものの、iPhoneにNFCが搭載される可能性は、AppleがMacやiOSデバイスを含む製品群全体でNFCを採用しない限り、極めて低いだろう。

提供:CNET
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 この他にも、iOS 6では数多くの機能追加や改善が成し遂げられている。「おやすみモード」や「Facebook」統合、デザインが刷新されたApp Storeと「iTunes Store」、「iTunes Match」による楽曲共有を行うためのiCloudとのよりシームレスな統合、「フォトストリーム」の共有など、挙げればきりがない。筆者はAppleから貸与されたiOS 6搭載iPadを用いてフォトストリームの共有を試してみた。これは写真をどこかに投稿したり、電子メールに添付しなくても、家族間で直接、そして即座に写真を共有できるという理にかなった楽しい方法だ。これにより、筆者のiPhoneには、選択された何枚かの写真が自動的に表示された。同機能を使うことで、子供の育っていくさまを写真を通じて見守りたいと願っている祖父母のために、iPadをデジタルフォトフレームにするという利用方法も考えられるだろう。

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