Appleの「Maps」アプリに対するレビューは、百歩譲ったとしても賛否入り交じったものとなっているとしか言えないが、Appleの共同創業者であるSteve Wozniak氏によると、同アプリの抱える問題は、報じられているほどひどくはないかもしれないという。
ITストレージ企業であるFusion-ioのチーフサイエンティストを務めているWozniak氏は、シドニーで行われた同社のイベントで発言した。
Appleは「iPhone 5」の発売直前にリリースした「iOS 6」において、「Google Maps」に代えて自社独自の地図アプリであるMapsを採用することにした。Mapsアプリについてはその後、誤った地図情報の表示をはじめとする問題点が数多く報道されている。
Appleは、優秀な開発者からなるチームを編成し、Mapsアプリのこういった問題に対処しようとしていると言われている。
Wozniak氏はオーストラリアのブリスベンにあるApple直営店で行列に並び、現地時間9月21日にiPhone 5を手にした。
Wozniak氏は、iPhone 5を気に入ったと述べたものの、Mapsアプリについては少しがっかりしていることを認めた。
同氏はZDNet Australiaに対して「私はある場所を目指してみたものの、音声ナビゲーションでは到達できなかった」と述べたうえで「このため、少しがっかりした。というのも、私は所有しているGoogleの(Android)携帯で音声ナビゲーションを好んで使用しているからだ。実際のところ、確実に目的地に到達できるし、より優れたデータベースが使用されている」と述べている。
同氏は、AppleのMapsアプリにおける問題点が大きく報道されていることは知っているものの、問題の深刻さは大げさに報じられているのではという疑念を抱いている。
「そういった問題について見聞きはしているが、それほど深刻なものであるかどうかは分からない」(Wozniak氏)
同氏は「iPhone 4」のアンテナ問題を例に挙げた。iPhone 4は、アンテナ部分に手が触れていると受信状態が悪化し、結果として通話できなくなるという問題のあることが立証された。しかし同氏によると、通常の使用においてこの問題に気付いたことはないという。
同氏は「人々が気付いた1つの小さな問題に対して多くの不満の声が上がっていても、実生活のうえではそれほど問題にならない場合もある」と述べるとともに、「私はMapsアプリについてはまだよく分からない。ナビゲーションに関しては少し気がかりであるものの、私は他のナビゲーションアプリをたくさん所有しているから大丈夫だ」と述べた。
なお、Wozniak氏は1980年代後半にAppleにおけるフルタイム社員の座をおりており、それ以降は同社製品のデザインに携わっていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス