とはいえこれは、Microsoftのエンジニアが単に素晴らしい製品を開発している事例にすぎないわけではない。初期のレビューを読む限り、MicrosoftのモバイルOSは勝利を収められそうに思える。最終的な判断を下すのはユーザーだが、早い段階で同OSを見た限り、これまでにない新しさを持つ、優れたテクノロジという印象を受けた。そして、すぐ訴訟に発展する現代において非常に重要なことだが、iOSにもAndroidにも全く似ていないように見える。
ベルリンで現地時間8月29日に開幕したIFAでは、MicrosoftモバイルOSの次期メジャーバージョンである「Windows Phone 8」のリリースを前にした売り込みが始まった。サムスンは、Windows Phone 8を搭載する初の公式Windowsデバイスを披露した。Nokiaは、今後登場予定の同社のWindows Phone 8デバイスの一部を今週披露する予定だ(AT&Tが主要通信キャリアになるとうわさされている)。そして、米ZDNetの報道によると、HTCは9月中旬までに、同社独自のWindows Phone 8スマートフォンを発表する見通しだという。
見落としてはならないのは、Microsoftの「Surface」タブレットだ。SurfaceはiPad、そして増え続けるAndroid搭載タブレットに対するMicrosoftの返答だ。2012年にハリウッドで開かれた華々しいプレスカンファレンスで発表されたSurfaceは、「Windows 8」と同日に発売される予定である。1つのバージョンは、ARMチップ上で「Windows RT」を実行する、比較的手頃な価格のバージョンになる見通しだ。もう1つは、おそらくそれよりもやや高額で、Intelの「Ivy Bridge」プロセッサ上で「Windows 8 Pro」を実行する。
Surfaceは間違いなく、より優れたデザインを考案するようにパートナーを促すものとなり、同時に、Microsoft自身のテクノロジ能力を実証するものともなった。MicrosoftのOEMが同社を上回る、または同程度のWindows 8デバイスを設計すれば、Microsoftは最終的に自社製造を縮小させるかもしれない。しかし、MicrosoftはAppleと同様に、勝利を収められる製品を手に入れたことを確信している。
新しいWindowsがどれほど顧客の心に訴えるものであるかを予想するのは時期尚早だが、2012年の秋は非常に楽しくなりそうだ。Appleは勢いを維持するために、今後の数四半期に向けて強力な武器を装備している。Appleは6月30日締めの会計四半期に、350億ドルの売上高と88億ドルの純利益を計上し、現金と証券の保有額は1170億ドル以上に達した。秋にはiPhone 5とiPad miniが発表されるとみられており、Appleはこれまでで最高の四半期を迎える可能性が高い。
これだけは確かだ。テクノロジ業界の歴史において最も重要なテクノロジ開発企業2社が、再び衝突の避けられない状況に置かれている。昔と同じだ。そして新参者のGoogleは、両社がお互いを倒すことに夢中になって、Androidの侵攻に気付かずにいることを望んでいる。ポップコーンを手にして、観客席に着くとしよう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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