皮肉屋なら、Microsoftが発表した「Surface」は「iPad」の模倣だと冷笑するかもしれない。しかし、この製品は多くの企業顧客の注目を集めることに成功している。
筆者はこれまで何度も述べてきているように、iPadの使い道を少ししか思い付けない。筆者が知っているほとんどのテクノロジ専門家も、タブレットについて同様の見方をしている。とは言うものの、われわれは自らの考え方が一般人とは異なっていることを理解している。たくさんの人々にとって、iPadのようなタブレットを使用することは、「Windows」搭載ノートPCを使うよりもずっと手軽で、欲求不満も少ないのである。PC市場の一角にタブレットが食い込み、その勢いを加速させているのは、そういった理由があるためだ。
Microsoftもそのことをちゃんと理解している。また同社は、驚くほど多くの企業が職場でのiPadの使用を認めており、社外に出ることの多い従業員にiPadを支給するという運用を試行している企業もあるということを認識している。Microsoftにとってさらに悪いことに、これらの従業員のほとんどがiPadに愛着を感じており、Windows搭載のノートPCと縁を切ることも厭わないと感じている。
こういった従業員も、その多くはまだ定期的にWindowsマシンを使用して何らかの仕事を行っている。しかし、その頻度は低下しているため、PCのアップグレードサイクルが長くなったり、「Windows 8」へと移行する動機付けが薄れることになるわけだ。ただ、これは市場のごく一部の話でしかない。Gartnerによる2012年の販売予測では、iPadの6000万台に対し、PCは4億台となっている。とは言うものの、iPadはデビューしてから2年ちょっとしか経っていないため、Microsoftは危機感を抱いているのだ。
これは短期間のうちに大混乱が起こっている状況だと言えるだろう。
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