Appleとサムスンの間で争われている特許侵害訴訟の期間中、機密資料の一部を一般に公開しないよう両社が求めていた件で、米連邦地裁の判事はこの要請を却下した。
Reutersの報道によると、米カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所のLucy Koh判事は米国時間7月17日、「両社は必要以上に多くの機密文書を指定しており、本来なら封印できるものではない情報まで封印しようとしているようだ」として、「編集や非公開といった措置を許可されるのは、本当に保護する必要のある特別な機密情報が含まれた文書だけだ」との判断を示したという。
Koh判事は、要請を再提出する期間として両社に1週間の猶予を与えた。
サムスンはさまざまな選択肢を検討しているとして、米CNETに対し次のように述べた。
「現在われわれは裁判所の決定を精査しているところで、それが終われば非公開の申し立てを新たに提出するなど、適切な措置を取るつもりだ」
米CNETはAppleにもコメントを求めているが、本記事掲載時点で回答は得られていない。
多くのものがかかった両社による特許訴訟の公判開始は7月30日に予定されており、今回の判断は開始日が迫る中で下された。Koh判事は、争点の一部を両社に法廷外の示談で解決させ、陪審に提示するそれぞれの主張の有効性を高めることによって訴訟の規模を縮小しようとしており、それができなければ公判開始日が遅れる可能性もあると警告している。
この長期化している法廷闘争は2011年4月に始まった。この時、Appleは同社のタブレット端末「iPad」とスマートフォン「iPhone」の「ルック&フィール」をサムスンが模倣したとしてカリフォルニア州でサムスンを提訴し、次のように主張した。「サムスンは、同社のスマートフォン製品やコンピュータタブレットにおいて独自の技術やサムスン固有のスタイルを発案し開発するのではなく、特許を侵害しているこれらの製品で、Appleの技術、ユーザーインターフェース、革新的スタイルを模倣することを選択した」
これを受けてサムスンはすぐにAppleを反訴し、争いの場を米国だけでなく、韓国、日本、ドイツに広げた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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