Appleがサムスン「GALAXY Tab 10.1」の米国での販売差し止め仮処分を請求していた件で、Appleの主張が認められた。同製品は「iPad」の競合製品の筆頭として広く認識されている。
Reutersの報道によると、今回の決定は、米カリフォルニア州北地区連邦地方裁判所のLucy Koh判事によって下された。差し止め命令は、後の審理で差し止めが不要だったと判断された場合に備えてAppleが260万ドルの供託金を裁判所に預けた時点で発効する。
米国時間6月26日、判事は「サムスンには競争する権利があるが、特許を侵害する製品を大量に販売して不当な競争をする権利はない」と述べた。
Appleの広報担当はこの決定に対し、この件でのこれまでの発言を繰り返し、「今回のような露骨な模倣は間違っており、これまでに何度も述べてきたように、当社のアイデアを他社が盗んだ場合は、当社の知的財産を守る必要がある」と述べた。
米CNETはサムスンにもコメントを求めているが、回答は得られていない。
Appleは、サムスンの「Android」搭載タブレットの販売禁止を勝ち取ろうと躍起になってきた。2011年10月にサムスンに勝訴して、この時Koh判事はサムスンのGALAXYタブレットシリーズがAppleの特許を侵害しているとする判決を下した。しかし、判事は同年12月にはこれらの製品の輸入禁止を求める請求を棄却し、GALAXY Tab 10.1の販売継続によってAppleが被る損失は、販売差し止めを正当化するほど大きくはないと結論付けた。判事はまた、そのような販売差し止めをすれば、サムスンを犠牲にして他のハードウェアメーカーを利することになると述べた。
2012年5月、Appleに再び販売差し止めのチャンスが訪れた。米国連邦巡回区控訴裁判所が、iPadに関するAppleの特許は無効な可能性があるとするKoh判事の考えは誤っているとして、AppleにはGALAXY Tab 10.1の販売禁止を求める権利が十分にあると述べたのだ。
Appleはサムスンのスマートフォン「GALAXY S III」の米国での販売差し止めも求めている。しかしKoh判事は6月、同月21日の審問で取り上げるべき事項が既に数多くあることを理由に、この件に関する審議を先送りにした。
この長期にわたる訴訟争いは、2011年4月に始まった。Appleはサムスンに対し、「iPad」と「iPhone」の「ルック&フィール」を模倣したとしてカリフォルニア州で提訴。一方サムスンは、別の特許関連の問題でAppleを提訴した。両社の争いは、米国に加えてオーストラリア、オランダ、ドイツ、アジアの一部、そしてフランスとイタリアなどにも広がった。
Koh判事は、Appleとサムスンが互いに計画中の知的財産権訴訟の件数を減らして審理を進めやすくするため、最高経営責任者(CEO)同士が直接対面するよう要請した。その結果、両社とも多数の訴えを取り下げている。
公判は7月30日に始まる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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