例えば、Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏は3月、Androidのタブレットへの取り組みをこき下ろし、多くのサードパーティー製のAndroidアプリケーションは手抜きだと評した。
Cook氏は、画面に映し出されたTwitterのAndroidアプリを例として挙げ、「引き伸ばされたスマートフォンアプリのように見える。なぜなら、実際にそうだからだ」と述べた。
6月11日には、消費者が利用できるアプリの件数という観点からそのメッセージが繰り返された。現在、App Storeで公開されているアプリは65万本で、そのうち22万5000本がiPad向けに開発されたものだという。そしておそらく、より重要なのは支払いだ。AppleはApp Storeの開設以来、50億ドル以上を開発者に支払ってきたとCook氏は述べた。
FacebookをiOSに統合するというAppleの動きはGoogleに直接的な打撃を与えるものではないが、この動きにより、FacebookとAppleは共通の敵と戦うために団結することになる。新機能を利用すると、iOS 6ユーザーはアプリ内から直接Facebookに投稿したり、自分のFacebookでの活動をiPhoneと同期させたりできる。連絡先やカレンダーなどのデータは、両社の間で自動的にやり取りされる。
AppleはFacebookを「iTunes」とApp Storeにも統合した。これは、プロモーションの要素が何よりも強いが、Twitterを除けば、Appleがユーザーにそのコンテンツの宣伝を許可する唯一のソーシャルネットワークがFacebookとなることを強く示している。
Piper JaffrayのGene Munster氏は11日、投資家に宛てたメモで、「最も重要なのは、Appleは、同社エコシステム内での相互関係を強化しているだけでなく、その大部分がGoogleの壁の外側に位置する体験を提供するよう、強力なウェブパートナーで構成される共同体を作り上げていることだとわれわれは考える。こうして重要なウェブパートナーの統合に注力することは、iOSをAndroidと有意に差別化し続ける、とわれわれは見ている」と述べた。
言い換えると、ここでの真の動きは、iOS 6、そしてAppleのデスクトップOSの次期バージョンにFacebookが登場する場所がどれだけあるかに関連している。ユーザーが何かを共有したいのなら、基本的にあらゆる場所から実行できる、というのが狙いだ。かつてアプリ開発者を自社のモバイルウェブブラウザの範囲内に閉じ込めておくよう判断した企業にとって、それは、神聖な場所に他者を招き入れるのと変わらないくらい重大なことだと言えるだろう。
この段階になっても、Appleは現実を見据えた物言いを好んでいる。しかし、誤解してはいけない。Googleをからかって聴衆からいくらかの笑いを引き出したことは、この競争に賭けられたものがもっと大きいことを暗示している。Appleにとって、この賭けはリスクを冒すのに十分に見合うものだ。GoogleとAppleのどちらが優れたテクノロジを先に提供できるかを競うレースにおいて、Appleは出走枠を奪い取ったと考えている。準備は整った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」