鍵になるのは、すべての人がAndroidを利用できるようになるのはいつか、ということだろう。報道によれば、Googleは複数のベンダーパートナーに対して、Androidプラットフォームの最新版の早期利用を認めて、複数の「Nexus」デバイスを同時に作り出す計画を立てているという。そうなれば、業界の懸念を緩和するのに大きく役立つだろう。
Googleには、Motorola Mobilityと直接協力し、最新のAndroidを搭載したフラッグシップスマートフォンを独自に作り上げるという一歩進んだ選択肢もある。同社はAppleと同じ道筋をたどって、Googleのハードウェアとソフトウェアによる完全なエンドツーエンドの製品を作ることができる。
Googleは最終的に、自社が完全にコントロールする製品ラインを持つことも可能だ。以前は、Googleはベンダーパートナーのデザインや製造技術に頼らざるを得なかった。Motorola Mobilityによって、今やそうした専門技術が社内にある。
このシナリオが実現する可能性は低い。Googleは、ソフトウェアの点でより優れているスマートフォンと直接競争しなければならなくなるからだ。
Avian SecuritiesのアナリストのMatthew Thornton氏は、「Googleが競争相手になれば、ほかの会社は勝負を避け、あっという間に逃げてしまうだろう」と語る。
現在はAndroidが支配的であるとはいえ、ほかに選択の余地がないわけではない。「Windows Phone」は初期にほとんどのベンダーで失敗したが、その主な理由は、そうしたベンダーがAndroidに注力していたからだった。Thornton氏は、サムスンのような会社がWindows Phoneを全面的に支持すれば、このOSが成功する可能性はあると語る。
Motorola Mobilityのセットトップ事業との垂直統合は、もう少し妥当なシナリオだろう。この事業はほとんど話題にならないが、実際にはこちらの部門の方が一貫した業績を上げてきた。同社は実際に、検索しなくてもセットトップボックスでテレビ番組をうまく探せる、新しいインターフェースを発表している。「Google TV」とMotorola Mobilityのセットトップボックス事業が統合したとしても、それほど急激な変化というわけではない。
しかし、このシナリオにも障害はある。同社のセットトップボックスを購入するのはケーブルテレビ会社であり、そうした会社が(自社のサービスよりも)Googleの機能を欲しがるかどうかは不透明だ。
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