法律の専門家によると、Googleに対するOracleの著作権侵害訴訟で、鍵となる問題に関して陪審員らが決断を下すに至らなかったことは、Googleと「Android」開発コミュニティーにとって朗報となる可能性があるという。
陪審員らは全員一致で、GoogleがOracleの37のJava APIについて著作権を侵害したとの判断を下した。だが、著作権の侵害となる素材をGoogleがAndroidモバイルプラットフォームで利用した行為が「フェアユース」(公正な使用)に該当するかについては、決断を下せなかった。その結果として、Oracleが10億ドル規模の賠償金を受け取る可能性は、少なくとも短期的な未来について言えば、比較的低くなった。そして、Googleの弁護団が米国時間5月7日に行った審判無効の要請が判事によって認められる可能性は比較的高くなっている。
米CNETは、この中途半端な評決と本訴訟の今後の展開について、何人かの法律専門家に話を聞いた。
Oracleの訴訟に反対の立場を取っていた電子フロンティア財団(EFF)のスタッフ弁護士であるJulie Samuels氏は、「今後APIが著作権で保護されるようになると、危険な結果を招く可能性がある。著作権は関数型コンピュータプログラミングの保護を考慮したものではないからだ。考慮しているのは、プログラミング言語やAPIのようなプログラムによって作成できるものの保護だ」と述べた。
Oracleの訴訟に反対の立場を取っていた電子フロンティア財団(EFF)のスタッフ弁護士であるJulie Samuels氏は、「今後APIが著作権で保護されるようになると、危険な結果を招く可能性がある。著作権は関数型コンピュータプログラミングの保護を考慮したものではないからだ。考慮しているのは、プログラミング言語やAPIのようなプログラムによって作成できるものの保護だ」と述べた。
Googleに対するOracleの訴訟では、APIが著作権による保護の対象になり得るかという問題が焦点になっていた。Googleの立場は、フェアユースに関する問題に決着がつくまで、著作権侵害について最終的な決定を下すことはできない、というものだ。
「もしGoogleのAPI利用がフェアユースに該当することが認定されたら、APIは著作権による保護の対象になり得るのか、という問題が論じられることは決してないだろう。著作権がAPIにも適用されるのかどうかについて、判事は裁定を下す必要がある。こうしたことはすべて、Googleが著作権侵害に問われる前に行われているべきだ。著作権適用の判断が下されたら、上訴され、何年も続く可能性がある。実にこれが今回の訴訟の核心だ。それは、作業で日常的にAPIを使用するあらゆる種類の開発者や、コンピュータでAPIに依存する一般のユーザー、そしてわれわれがインターネット全体を利用する方法に対して、広範かつ危険な結果をもたらす」(Samuels氏)
しかし、欧州連合司法裁判所の先週の判決と同様に、Alsup判事がAPIは著作権による保護の対象になり得ないと判断した場合、フェアユースに効力はなくなる。
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