UPDATE サンフランシスコ発--Sun Microsystemsの元最高経営責任者(CEO)Jonathan Schwartz氏は米国時間4月26日、当地で開かれた裁判において被告側の証人として証人台に立ち、JavaのAPIがSunから取得したプロプライエタリなコードであったというOracleの主張に反論した。
Google側の弁護士であるRobert van Nest氏はSchwartz氏に対し、Sun在職中にJava APIはSunによるプロプライエタリなコードまたは知的財産保護の対象と考えられていたかと尋ねた。
「いいえ」とSchwartz氏は答え、オープンソフトウェアの性質について説明した。「これらはオープンAPIであり、われわれはより多くの人々に関与して欲しいと考えていた(中略)大きなテントを用意して、その中にできるだけ多くの人々を招き入れたいと考えていた」(Schwartz氏)
Oracleは、2010年のSun買収で取得したJavaとそのAPIに関する特許および著作権の一部を、GoogleのAndroidプラットフォームが侵害していると主張している。
Googleの元CEO(現在は会長)であるEric Schmidt氏は、Android発売後の会合で当時SunのCEOであったSchwartz氏が、Androidに関する懸念も非難も示さず、AndroidでJava APIを使用するためにライセンスを取得すべきとも述べなかったと証言したが、Schwartz氏の証言はこれを裏付けるものとなった。
Schmidt氏は、「わたしのそれまでの経験と話し合いから総合的に判断して、われわれのしてきたことは許容されるものであったと理解している」と証言し、「われわれがしていたことが合法的であり、かつ、(当時のSunとGoogleのポリシーに)合致していると安心していた」と付け加えた。
Schmidt氏は14年間勤務したSun在職中に、Schwartz氏の最初の上司となった。以来、両氏には深い親交があった。
GoogleとAndroidの間の提携について、Googleが自社の電話を「Java phone」と呼び、あらゆるプラットフォームで動作するアプリケーションを開発することに対して、多額のライセンス料の支払いをGoogleに求めたいとSunは考えていたとSchwartz氏は述べた。当時はNokiaが市場を独占しており、Appleの「iPhone」はまだ市場に提供されておらず、Javaのライセンス提供はSunにとって1億ドルを超える規模の事業だったとSchwartz氏は述べた。Javaコミュニティーを拡大し、Microsoftといった当時の競合企業に対する障壁のようなものを築くことによって、Sunは利益を上げることができた。
GoogleをJavaプラットフォームの一員にするために、Sunは資金を払うことまで考えたが、この提携はうまくゆかなかった。Schwartz氏はGoogleにはすべてのカードを見せない「不透明」なところがあるとしたうえで、「自分たちでもっとうまくやれると思ったのではないだろうか」と述べた。SunはJavaスタックの主要部分に対するコントロールを失いたくないと考える一方で、Googleは自らの運命に対してより多くをコントロールしたいと思っていた。
Schwartz氏は、Googleとの提携が実現しなかったにもかかわらず、Sunのウェブサイト上で公開していたブログ(今はSchwartz氏の個人サイトで参照可能)における2007年11月5日の投稿において、Android発表に対する賛辞を送っている。同氏はその理由を問われた。
Schwartz氏は自らのブログ投稿はSunの公式な意見を表明するプレスリリースのようなもので、書かれなかったこともたくさんあると述べた。
Schwartz氏は、SunあるいはオープンソースのJava実装と競合関係にあるMicrosoftと手を組むことをGoogleが選択をした可能性もあったとして、「われわれは(GoogleがAndroidでやっていることを)好ましいと思わなかったが、苦情を言って止めさせるつもりはなかった」とした。「少なくともJavaを使ってくれれば、彼らはJavaコミュニティーの一員になれる」と同氏は言い、JavaコミュニティーがなければGoogleは「コミュニティー全部を新たに作り直す」必要があったとした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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