米CNET編集者注:本稿はAndy Rachleff氏がゲストとして寄稿したものだ。記事の最後にRachleff氏の略歴を掲載した。
シリコンバレーにいるほかのすべての人々と同様、筆者もFacebookが上場することに興奮を覚えている。いや、筆者は同社の株式を所有してはいない。また、一部のコメンテーターが大げさに述べているように、大規模な新規株式公開(IPO)が世界の株式市場全体をよみがえらせるとも考えていない。
筆者が考え、そして心から期待しているのは、Facebookによる株式公開の成功によって、シリコンバレーがそもそもIPOを積極的に採用したのはなぜなのか、若い起業家たちが理解できるようになることだ。また、これは重要なことだが、IPOの文化をよみがえらせる必要がある理由についても理解できるだろう。
30年前にベンチャーキャピタル事業に足を踏み入れたとき、筆者が出会ったほぼすべての起業家は、世界を変え、お金を稼ぐために、偉大な企業を設立したいと考えていた。その2つの目標はお互いに深く関連していた。そして、GoogleやFacebookに素早く売却するいわゆる「flip」は存在しなかったため、IPOが極めて重要な目標となるのは当然の結果だった。
優秀な人々が新興企業に入社したのは、創設者のビジョンに賛同したからだ。また、彼らには巨万の富を手に入れる可能性を共有する機会があった。
そのモデルはうまく機能した。IntelからApple、Googleまで、世界を変えるさまざまなシリコンバレー企業が生まれている。
その後、2001年がやってきた。この30年間のIPO件数が示すように、IPO市場は本当の意味で回復することはなかった。1980年~2000年の間には、年間平均で311社が上場している。00年代は金融危機が市場にさらなる打撃を与えたこともあって、平均は102社だった。下落が最も顕著だったのは、小規模企業のIPOだ。
IPOの減少をサーベンス・オクスリー(SOX)法のせいにするのは、あまりに安易すぎる。ベンチャーキャピタリストのBill Gurley氏は「Silicon Valley's IPO Anxiety」(シリコンバレーがIPOに抱く不安)と題された2010年のブログ投稿で、われわれの悲観主義が自己達成予言につながったのかもしれないと述べた。
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