2004年8月19日、Googleは株式を上場して、19億ドル相当の株式を販売した。それにより、取引開始時の同社の時価総額は230億ドルになった(現在の時価総額は1870億ドル)。2012年の現在、Facebookの新規株式公開(IPO)が目前に迫っていると話題になっている。Facebookは同社の10%相当分を100億ドルで提供すると見られており、それが実現すれば同社の時価総額は1000億ドルになる見込みだ(本稿執筆時点)。
Facebookには本当にそれだけの価値があるのか。
経済的な観点から言えば、人々がその株式を買うのなら、それだけの価値があるということになる。しかし、人々は何に対してお金を払っているのだろうか。FacebookのIPOがそれほど大きな価値(GoogleのIPO当初の価値よりもはるかに大きい)を持ち得るのには、3つの大きな理由がある。Facebookは本当にそれだけ特異な存在だ(本記事は財務分析ではない。財務分析は、FacebookがIPO書類を提出したときに掲載されるだろう)。
Facebookは以下の3つの柱に支えられており、同社の独特な組み合わせの中、その柱が同社を過去のどんなインターネット企業よりも価値のある存在にしているといえる。
IPO時のFacebookのユーザー数は8億人を上回っているだろう。2012年8月には10億人の大台を突破するはずだ。これは、世界の全人口の7分の1に相当する。さらに、これらは「アクティブユーザー」であり、「どの日を見ても」全ユーザーの半数以上がFacebookを利用していると同社は主張する。だからといって、Facebookユーザーの大多数が毎日オンラインにいるわけではないが、この数字は大規模で積極的に参加するユーザーベースを示している。その上、平均的なユーザーはほかのユーザーや団体と密接につながっている。Facebookユーザーの平均の友達数は130人だ。
Google(「Google+」ではない)のユーザー数は2011年に10億人の大台を超えたが、その利用方法は大きく異なる。ユーザーはGoogleを頼りにしているかもしれないが、引き付けられているというわけではない。Googleは通過駅であり、クエリから目的地へ移動する際に通過するサイトだ。この点をFacebookの2つめの大きな柱と比較してほしい。
これがFacebookの真の強みである。米国の平均的なユーザーはFacebookで1カ月に7時間45分を費やす(Nielsenのデータを参照してみるといい)。YouTubeでさえ1カ月あたりの滞在時間は2時間以下で、Facebookには遠く及ばない(Google全体の1カ月あたりの滞在時間も2時間以下だ)。
これが示すのは、Facebookでは多くの関心が集まり、多くのブランディング活動が行われ、多くのゲームがプレーされているということだ。ユーザーの行動やつながり、好みに関する多くの情報が収集されている。
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