Facebookがついにそのステータスを更新した。ただし、財務面の話だ。
ソーシャルネットワーキングサービスの最大手である同社の新規株式公開(IPO)申請書類では、同社の事業運営についての細かい点が数多く明らかになっている。それらはこれまで、共同設立者のMark Zuckerberg氏や、最高執行責任者(COO)のSheryl Sandberg氏、そして同社の多くの個人投資家といった人々しか知らなかった。そこで、明らかになった詳細から、この秘密主義の大企業の事業運営について分かることを見ていこう。
同社は2011年の売上高37億ドルのうち、ちょうど10億ドルが純利益になったと報告した。そのわずか3年前、Facebookは利益が出ていない弱々しい小さな企業で、純損失は5600万ドル、売上高は現在の10分の1以下だった(2億7200万ドル)。
何が変わったのだろうか。広告が伸び始めたのである。Facebookの売上高の優に85%が広告によるものだ。その額は、2009年(データが公表されている最初の年)の7億6400万ドルから、2011年には32億ドルに増加している。
Facebookの収入の残りの部分は、支払いや手数料の形でもたらされている。そこで主な役割を果たしているのが「Facebook Payments」というシステムで、ソーシャルゲームでの取引や、Facebook上で行われる商取引の30%を受け取っている。こうした収入もまた飛躍的に増加しており、2009年にはわずか1300万ドルだったが、2011年には5億5700ドルに達した。
ソーシャルゲームメーカーのZyngaは、Facebookというホホジロザメに付いているコバンザメだ。Zyngaは、Facebookの2011年の総売上高の実に12%を占めている。その額は4億4530万ドルだ。その前の2年は、Facebookの収入にZyngaが占める割合は10%未満だった。つまり、2010年は1億8700万ドル未満、2009年は7600万ドル未満ということだ。
この大きな飛躍は主として、Zyngaがゲーム内購入にFacebookの支払いシステムを使うことに合意した、2010年5月の契約を反映している。これはFacebookにとって大きな収入を意味する。前述の通り、このシステムによる売り上げの30%が手元に残るからだ。
Facebookは、「月間アクティブユーザー数」が8億4500万人、「デイリーアクティブユーザー数」は4億8300万人という驚異的な数であるとしている。
しかし、米国およびカナダのユーザー数の増加は目に見えて衰えてきている。米国およびカナダのデイリーユーザー数は、2011年12月には1億2600万人となり、その1年前の9900万人から27%しか増加していない。増加率では前年の半分程度にすぎない。
世界規模では、デイリーユーザー数は2011年に48%増加して4億8300万人になった。Facebookは、米国に加えて、ブラジル、カナダ、ドイツ、メキシコ、英国での増加について言及している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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