Facebookは自らを、Googleというゴリアテに挑むダビデだと表現している。
1000億ドルの潜在的な価値がある企業が、弱者の役割を演じるところは想像しにくい。しかし、Facebookは、ソーシャルゲーム企業Zyngaへの依存度の高さやハッカー被害の可能性、米国外で起こり得るサービス遮断といった、さまざまな潜在的リスクをリストアップすることで、まさにそうしている。こうしたリスクの多くは、新規株式公開(IPO)のS-1申請書のために加えられた決まり切った文章ではある。ただ、それらは、将来的に起こり得る問題についてのヒントになる。
同社にとっての最大の脅威は、Googleによるものだ。Googleは同社独自の「Google+」によって、Facebookと同じユーザーをターゲットとしたいという熱意をはっきりと示している。Google+はFacebookに対抗して急速な成長を続けており、次第に一騎打ちの様相を呈してきた。Facebookには8億4500万人の月間アクティブユーザーという、Goggle+より大きなユーザー基盤があるのだが、同社はGoogleが持つリソースを気にしている。
Facebookは、米国時間2月1日に提出した申請書で、次のように述べている。「われわれの現在、および潜在的な競合企業の一部は、特定の市場において、われわれと比較してかなり豊富なリソースを持ち、競争上優位な立場にある。こうした要素によって、われわれの競合企業は、新規技術や、市場の要求の変化に対して、われわれよりも効果的に対応できる可能性がある」
Facebookは、確かにMicrosoftやTwitterについても言及しているが、本当の脅威はGoogleだ。Googleには、消費者の心とお金をとらえるだけのリソースや広い影響範囲、そして熱気がある。
Facebookは、Googleがその支配的な地位をさまざまな場面で使って、Facebookにその消費者へのアクセスを認めない可能性があるとしている。Googleは、Google+を同社のホームページや検索エンジン、ウェブブラウザなどと統合することで、消費者をGoogle+に誘導するかもしれない。Googleのモバイルプラットフォームの「Android」がFacebookを遮断する、もしくは少なくともGoogle+の方が使いやすいようにすることも考えられる。
FacebookとゲームメーカーZyngaとの密接な関係は、Facebookに大きなリスクをもたらす。Zyngaのゲームは完全にFacebookのプラットフォーム上で構築されており、同社は2011年12月に株式公開している。ZyngaはFacebookの2011年の総売上高の12%を占めており、FacebookはZyngaゲームでの仮想商品購入の30%を受け取っている。
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