数年前まで、Consumer Electronics Show(CES)会場に展示されるほぼすべてのコンピューティング製品は「Windows」を搭載していた。しかし、2012年は違っていた。確かに新しい「ウルトラブック」にはWindowsが搭載されているものの、タブレットや携帯電話、そしてテレビなど、ほかのあらゆる製品に「Android」が採用されている。
MicrosoftのWindowsは今でもPCとノートPCの市場を席巻しているが、Microsoft自体はもはやコンシューマーテクノロジの革新を牽引するリーダーではない。同社がCESの幕を開ける役目を終えたのは、残念ではあるが妥当なことだ。
Googleはコンシューマーエレクトロニクスの牽引役としてAppleに次ぐ存在だ。AppleはCESに正式参加していないため、CESではGoogleが最も大きな影響力を持つプラットフォーム企業となる。CESでも特に興味深いタブレット製品はAndroidを搭載していたが(ASUSの「370T」「Transformer Prime」、サムスンの「GALAXY Note」など)、それらに比べるとWindows搭載のウルトラブックは平凡な印象だった(Lenovoの「Yoga」は例外かもしれないが)。また、ほとんどのスマートフォンメーカーは、GoogleのAndroidを、強大な「iPhone」に対する唯一の有効な防衛手段と見なしているようだ。「Windows Phone 7」もよくできてはいるが、登場するのが遅すぎた。
Googleが2013年のCESで基調講演の枠を与えられることは理に適っているかもしれない。同社は2012 CESで最も重要なベンダーだった。2013年はコンシューマーエレクトロニクス業界においてさらに重要な存在になるだろう。
Googleは同社が今取って代わろうとしている企業と同じ戦略を使って、コンシューマーエレクトロニクス分野で現在の地位まで上りつめた。MicrosoftがWindowsでやったことだが、Googleが開発するOSは、あらゆるメーカーが自社の人気製品に組み込む方法を知っているものだ。また、拡大する市場規模と技術的な柔軟性のために、デベロッパーが開発ターゲットにしたいと思うようなOSでもある。コンシューマーコンピューティングにおいて、Microsoftはこの仮想的なサイクルを完成させた。しかし、モバイルデバイスの新時代において、そのモデルを最も効果的に実践しているのはGoogleである。
全米家電協会(CEA)の業界問題担当シニアバイスプレジデントであるJason Oxman氏は、2013 CESの基調講演を誰に依頼したのか明かさなかった。しかし、Oxman氏はその選考方法については話してくれた。CEAの幹部陣は2012 CESの終了後、2013 CESの「テーマの方向性」について決定を下す。その後、講演者に打診するという。
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