MSが去るCES--グーグルへの主役交代の可能性 - (page 2)

Rafe Needleman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年01月18日 07時30分

 ほかにも可能性が高いことがある。CEAが2013 CESのテーマの方向性として、「Windows 8」搭載ポータブルPCに関連するものを定めることはないだろう。また、適切な2013年のテーマ(モバイルコンピューティング、検索、ソーシャルコンピューティング、クラウド、メディア)に関して、Microsoftが主役になることはないはずだ。

 将来のある時点で、サムスン、ソニー、LG、東芝などの大手メーカーが、Appleに対抗できる統合メディア共有プラットフォームによって真の注目を集めるようになるかもしれない(これらのメーカーはすべてそうしたプラットフォームの構築に取り組んでいる)。それに成功したメーカーが、基調講演の有力な候補になる可能性がある。しかし、2012 CESの時点では、それらの取り組みよりも上記メーカーのハードウェアラインの方が優先されているようだ。「iTunes」と、「Mac」「Apple TV」「iOS」デバイスに比べて、各社のプラットフォームは効果的に統合されておらず、大きく水をあけられている。

 Appleと言えば、実は同社もCESに参加している。同社は2012年、多くの従業員をCESに送り込んだ。これらのApple従業員のことを「スパイ」と呼んだ報道もあった。なぜなら、報道陣に向かって主張するのではなく、静かに交渉をして観察していたからだ。しかし、Appleが送り込んだのがスパイなら、Googleが送り込んだのは大将だった。例えば、Eric Schmidt氏とMarissa Meyer氏はいずれも、米CNETがストリーミング配信したイベントに姿を見せた。Googleは既にCESを支配するための地盤固めに着手している。

 Microsoftは2013年、基調講演を担当せず、セントラルホールに巨大ブースも設置しない(同社は契約を更新しなかった)。2013年は、Appleと同じように、数多くの従業員を送り込み、Windows 8搭載製品が宣伝されているブースに「埋め込む」だろう。しかし、Microsoftがパートナーのブースに居座り続けたとしても、自前の展示ブースを出したときのようにメッセージを操作することはできない。2013 CESにおけるMicrosoftはAppleのようになるはずだ。

 たとえGoogleが基調講演の枠を与えられなくても(あるいは受け入れなくても)、2013年のCESはGoogleのものになるだろう。同社は2012 CESで最も大きな影響力を持つ企業だった。ほかのコンシューマーエレクトロニクスベンダーにとって提携相手として最も重要な企業であり、2013 CESで主役になるにふさわしい存在と言える。

 (参考情報:2013 CESの開幕を告げるのがどの企業になろうと、CEAが「Microsoft基調講演」と呼ぶ枠、つまりCESが正式に開幕する前夜の講演枠が与えられるかどうかは不明だ。実際のところ、どの企業もその枠を与えられない可能性もある。開幕前の講演枠は14年前、Microsoftのために特別に設けられた。これまでBill Gates氏とSteve Ballmer氏が講演してきたが、ほかの企業は担当していない。CEAはその枠を廃止して、正式な開幕日の基調講演をCESの始まりとして扱うようメディアに促すことを検討している。2012年にその枠で講演したのは、Qualcommの最高経営責任者(CEO)であるPaul Jacobs氏だった)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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