Microsoftにとって、2012年は待ち遠しい年だった。
2011年がとりわけ困難な1年だったということではない。同社の2011会計年度(6月30日締め)の売上高は過去最高を記録した。また、発売から2年が経過したPC向けOS「Windows 7」の販売本数は5億本に達し、世界で最も広く使用されているOSの座を強固なものにした。しかし、2011年は「Office 365」や「Internet Explorer 9」が登場したものの、同社にとっては大きな製品リリースが少ない1年だった。
2012年は全く違う1年になるだろう。Microsoftは旗艦製品である「Windows 8」の準備を進めている。発売日はまだ決まっていないが、多くのアナリストは2012年中に登場すると予測しており、米国の新学期商戦までに発売されるとの見方もある。Windows 8を起点として、Microsoftはさまざまな展開を計画している。
以下ではMicrosoftの2012年に関する5つの予測を紹介する。
Windows 8はMicrosoftにとって最も大胆な賭けの1つになるだろう。同OSのインターフェースは、2010年に「Windows Phone 7」で初めて採用されたタイル状の「Metro」スタイルへと大きく変更される。壁紙を設定したデスクトップにアプリケーションとファイルのアイコンが並ぶ従来のスタイルを好むユーザーは、そちらを選ぶこともできるが、Microsoftはタッチ操作が容易な新インターフェースMetroを強く売り込んでおり、消費者にMetro搭載のタブレットコンピュータの購入を納得させようとしている。
その売り込みは簡単にはいかないだろう。Appleが「iPad」を発売して瞬く間に商業的成功を収めてから2年以上たった後に、Microsoftはタブレット市場に参入することになる。また、2011年のホリデーシーズンにはAmazonが「Kindle Fire」を発売した。Kindle Fireは、Apple以外のタブレットとしては初めて、重要な足場を得たタブレットだ。市場調査会社Forrester Researchは先ごろ、Windowsタブレットに対する消費者の関心が薄れているとの調査結果を発表した。
コンピューティングの中心がPCから離れていくなか、MicrosoftはWindows 8タブレットの成功を必要としている。PCの成長が鈍化し、タブレットコンピュータ市場が急速に拡大しているため、それは喫緊の課題だ。
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