Microsoftとパートナー(特にNokia)が行うであろう精力的なマーケティングと、現在保持しているわずかな足がかりを合わせて考えると、Windows Phoneのシェアが拡大することはほぼ間違いない。ただし、Windows PhoneはAppleやGoogleの既存顧客ではなく、危機に瀕しているResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry」事業から顧客を奪う可能性が高い。
MicrosoftがAndroidから奪えなかった市場シェアは、訴訟の脅威によって得られる収入で埋め合わせることができるかもしれない。同社はHTCやWistron、Compalなど、複数の携帯電話メーカーに対し、AndroidがMicrosoftの特許を侵害しているとの主張の和解案として、それらの企業がAndroidデバイスを販売するごとにMicrosoftに特許使用料を支払うことを納得させた。
特許使用料を支払わないAndroidデバイスメーカーはどうなるのか。Microsoftはそうした企業を訴えている。Android搭載の電子書籍端末「NOOK」を販売するBarnes & Nobleに対する訴訟と、それとは別のMotorolaに対する訴訟(Googleは現在、Motorola Mobility買収の手続きを行っている)が注目を集めているが、2012年には解決に向けて動く見通しだ。
その戦術は大きな成功を収め、Microsoftは2011年にAcerやViewSonicなど、Googleの「Chrome OS」搭載デバイスを開発する企業からも料金を徴収し始めた。Microsoftは競合他社のテクノロジを使用するデバイスメーカーに今後も圧力をかけていくと考えていいだろう。また、それらのメーカー、特に小規模なメーカーはMicrosoftと法廷で争うよりも、料金を支払うことを選択すると思われる。
Microsoftは携帯電話事業と同様にインターネット検索でも、存在感を高めようとして戦略を頻繁に変えている。同社は検索エンジンのブランドを何度か変え、主要なパートナーを追加し、上級幹部陣を入れ替えてきた。それでも、市場リーダーのGoogleに依然として大きな差をつけられている。
Microsoftのパートナーシップが1つ、2012年に実を結び始めるかもしれない。米Yahooからの検索クエリを処理する提携のことではない。MicrosoftとFacebookの提携のことだ。Microsoftは2011年5月から、Facebookの友達からのお勧めを検索エンジン「Bing」に表示しており、検索ユーザーのFacebookネットワーク内のユーザーが「Like(いいね)」ボタンを押した情報を上位に押し上げることで、検索結果をカスタマイズできるようにした。例えば、あるユーザーがシアトルのタイレストランを検索する場合、Facebookの友達がLikeボタンを押したレストランがそのユーザーの検索結果で上位に表示される。
Googleも同じ方策を実施している。ソーシャルネットワーク「Google+」を構築し、ウェブサーファーのクエリに対するカスタマイズされた回答を検索結果に追加した。しかし、ソーシャルネットワーキング分野では、Facebookが依然として王者の座を維持している。Facebookの「Like」を利用することは第一歩にすぎない。Microsoftが2012年、より多くのソーシャル要素をBingに追加しようとしていることは明白だ。それによってGoogleを追い越すことはないだろうが、Microsoftはより関連性の高い検索結果を提供することで、検索市場におけるシェアを大きく伸ばすチャンスを得られるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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