Googleは先週、MicrosoftやAppleなどが団結して「Android」モバイルOSによる特許侵害を追及し、Googleを攻撃していることについて、公然と不満をこぼし、騒ぎを起こした。
Googleに全面的に同情するのは難しい。特許改革が急務であると考えていない人はほとんどいないが、Googleは多額の資金を持つ巨大企業であり、自らが批判した企業のように特許取得ゲームに参加しようとしたこともある。ただ、Googleはそのゲームを他社と同様には進めることができていない。
Googleにとって問題なのは、ライバルに難癖をつける以外に選択肢がほとんどないということだ。Androidは2007年に初登場して以来、目覚ましい成功を収めており、米国内で最も広く使用されているスマートフォンOSになった。しかし、Googleはスマートフォン市場への参入がかなり遅かったため、同社の特許ポートフォリオは他社に比べると貧弱だ。
次に挙げる数字に注目してほしい。知的財産を中心的に扱う投資銀行のMDB Capital Groupによると、Googleが米国内で出願、または認可されたモバイルデバイス関連の特許は317件だという。ちょっとした特許工場ともいえるMicrosoftはモバイルデバイステクノロジに関して2594件の特許を保有または出願中だ。Microsoftの新しいパートナーであるNokiaは2655件の特許を出願中または取得済みである。
現在、Googleが特許訴訟に対して無力な状態に陥っているのはそのためだ。一般的に、特許を保有している企業は、自社の革新をほかの企業が侵害していると判断した場合、その企業を訴えると威嚇する、あるいは実際に訴える。訴えられた企業は通常、訴えを起こした企業が侵害した自社の特許を見つけ出し、反訴を提起すると圧力をかけることで身を守る。これを材料として、お互いの企業は、裁判を回避するためのクロスライセンシング契約を提案する。
しかし、保有するモバイル特許が非常に少ないGoogleは、派手な立ち振る舞いを余儀なくされている。同社の上層部は、この特許ゲームに引きずり込まれ、非常に多くの企業がすでに破綻していると考えるシステム(実際に特許を利用して駆け引きを繰り広げている一部企業ですら、そう考えている)の中で争う必要があることに明らかに苛立ちを感じている。
MDBの最高経営責任者(CEO)であるChristopher A. Marlett氏は、「Googleの上層部が悲痛な叫びを上げるのはそのためだ。Googleは非常に不利な立場にいる。彼らは必死で戦う必要があるだろう」と述べた。
そうした苛立ちを原因として、最高法務責任者(CLO)であるDavid Drummond氏は米国時間8月3日、「MicrosoftやOracle、Appleなどの企業がいんちきの特許を主張して、Androidに対する敵対的かつ組織的な運動を展開している」とブログで述べた。この投稿をきっかけとして、同社とMicrosoftが相手側の主張を否定し、新たな主張を展開する、報復的な論戦が起きた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス