IHS iSuppliが米国時間6月29日に発表したレポートによると、2011年第1四半期のチップ市場において、Advanced Micro Devices(AMD)がIntelに対し大幅にシェアを失った。第1四半期はIntelのチップセットで問題が発覚したが、同社の回復は早かった。
2011年第1四半期の世界マイクロプロセッサ市場の収益において、AMDのシェアは10.1%となった。IHS iSuppliによると、AMDのシェアは2010年第1四半期が11.8%、同第4四半期が10.9%で、徐々にシェアを落としていることがわかる。
AMDが失ったシェアのほとんどはIntelが得たことになる。IHS iSuppliでは、2011年第1四半期の世界マイクロプロセッサ市場の収益でIntelのシェアが82.6%となり、前年同期から2%、同第4四半期から1.6%増加したとしている。
2011年第1四半期には、Intelのプロセッサ「Sandy Bridge」に関連するチップセットで問題が発覚した。これに伴いIntelは、800万個ものチップセットをリコールし交換するとしていた。IHS iSuppliのアナリストMatthew Wilkins氏は、「こうした大規模なリコールはたいていの企業にとって大打撃となるが、Intelのような巨大企業にとってはかすり傷にもならなかった」としている。
Wilkins氏によると、実際にIntelの売り上げは2010年第1四半期と比べ25%も成長しているという。
AMDにとって救いとなるのは、マイクロプロセッサ市場における2011年第1四半期のIntelとAMDの売上シェアの合計が92.7%となり、前年同期の92.4%から成長していることだ。「2011年第1四半期の世界のマイクロプロセッサ市場が前年同期比で約20%成長したことを考えると、この市場で独占的立場にある2社がさらにシェアを伸ばしたことは彼らにとっても悪くない話だ」とWilkins氏は述べている。
ただし、Intelもずっと安泰でいられるとは限らない。Wilkins氏は、メディアタブレットがIntelにとっての課題だとし、「2011年はタブレット端末が原因でネットブックPCの出荷が落ち込むだろう」としている。ネットブックはIntel製チップを採用しているが、Appleの「iPad」やサムスンの「GALAXY Tab」はIntel製品を採用していない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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