カリフォルニア州サンタクララ発--Intelが米国時間5月17日に開催した投資家向け説明会にて、一部のアナリストが同社のスマートフォン市場への取り組みに対し懐疑的な態度を示した。これに対しIntelは、スマートフォン向けプラットフォーム「Medfield」(開発コード名)が大きく刷新されることを初めて公表するなどして疑念を晴らそうとしている。
説明会で金融アナリストからの質問が集中したのは、スマートフォンプロセッサ分野で競合となるTexas InstrumentsやNVIDIA、Qualcommと比べ、Intelにどのような強みがあるのかという点だ。これらの競合企業は、スマートフォン向け製品で主流となるARMアーキテクチャをベースとしたプロセッサを製造している。
プレゼンテーション終了後のQ&Aセッションや幹部との非公式ミーティングの際にも、同じ内容の質問が繰り返された。Intelのプロセッサが他社製品とどう違うのかという点だ。
アナリストらが疑念を抱くのは、Intelがこれまでスマートフォン向け製品をうまくリリースできていないことにある。同社は2009年にLG Electronicsとの提携を発表し、スマートフォン向けチップとその搭載機を市場に投入するとしていたが、その後製品化は実現せず、2年経過した現在もIntelチップが搭載されたスマートフォンは存在しない。
米調査会社TechKnowledge Strategiesの主席アナリストであるMike Feibus氏は、IntelのMedfieldには期待しているものの、懸念事項は存在するとしている。「Intelは現状よりもう少し進んでいると思っていたので少し残念だ」とFeibus氏は言う。
「Intelがスマートフォン分野で遅れているのは、極端すぎたことにも原因があると思われる。2010年同社は、大げさな見通しを発表して打撃を受けた。そこで今度は慎重になりすぎているのだ」(Feibus氏)
Feibus氏の考えは正しいと思われる。Intel幹部は説明会後の談話の中で、今回は将来の見通しを控え目にして、大々的な製品発表ができるようにしたいと述べていた。
Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏が17日に述べたところでは、IntelのMedfieldは2012年前半にはスマートフォンに搭載されるという。Intelの計画に詳しい業界筋によると、同社のスマートフォン分野の顧客のうち少なくとも1社は「非常に大規模なOEMメーカー」とのことだ。
またIntelは、説明会にてMedfieldが刷新されることを初めて公表し、多くのアナリストを驚かせた。つまりMedfieldは、2012年初期に予定通りスマートフォン市場に登場するが、その後予定にはなかったアップデート版が出ることになる。MedfieldはIntelの32ナノメートル(nm)技術で製造される。
Otellini氏はアナリストの質問に対し、「Medfieldは進化し続ける。32nm技術も改新されるためだ。現時点では詳しい機能について話せないが、プラットフォームが強化される。次は22nm技術も待っている」と答えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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