カリフォルニア州サンタクララ発--Intelの最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏は米国時間5月17日、同社取り組みの中心を最も電力効率の高いデバイスに移行するという、大きな変化にIntelが乗り出していることを述べた。
長い間PC向けプロセッサに重点を置いてきたIntelは、同社の取り組みの「中心」をメインストリームPCのワット数で表される電力範囲から、ウルトラポータブルPC、スマートフォン、タブレットなどの小型携帯端末やスマートテレビなどの機器へと移行する予定だとOtellini氏は、当地にある同社の本社で開かれたIntel投資家会議で述べた。
「現在、35ワットから15ワットへと移行している(中略)ウルトラモバイル性がますますその中心になりつつある」とOtellini氏は述べた。「すべての端末が常に起動しており、常に接続されている必要がある」と同氏は述べた。現在、15ワットのプロセッサを搭載する端末は通常、「MacBook Air」のような超薄型PCである。
電力効率については、米CNETが報じたとおり、Intelは22nmの「Atom」チップアーキテクチャ「Silvermont」を開発中であり、その後には14nm設計の「Airmont」が続く予定である。
これらのチップや、よりメインストリームのIntelプロセッサを搭載する端末は、常に接続された状態になることが見込まれるとOtellini氏は述べ、暗にスマートフォンを指していることをほのめかした。
また同氏は、高い注目を集めるタブレットにも言及した。「われわれは現在、35種類の設計(のタブレット)を対象に開発を進めている。『Android』や(Intelの)『MeeGo』などだ」と同氏は述べた。「タブレット競争はまだまだ終わらない。タブレットだけでなく、コンバーチブル(ノートPCとタブレットのハイブリッド型)も存在する。(今後数年間で)多くの実験が実施されるだろう」(Otellini氏)
同氏は、スマートフォンについてはあまり語らなかった。「今日は、スマートフォンについてはIntelからの大きな発表はない」と同氏は述べた。「携帯電話は2012年前半において(中略)われわれが大きな重点を置く分野である」(Otellini氏)。これらの電話にはIntelのAtomプロセッサ「Medfield」が搭載される予定である。
Intelのスマートフォン計画に詳しいある業界情報筋は、Intelがスマートフォンに関する発表をするものと期待していたと述べ、近い将来の具体的な計画がないのは「残念」だと述べた。
またOtellini氏は、携帯端末メーカーNokiaがMicrosoftと新しい提携を結んだことによって、IntelとNokiaとの関係が終了したことから、Intelは、これまでNokiaのスマートフォンを使用していた「リファレンスデザイン」(同社が新チップの提供媒体として使用するプロトタイプ)として、数社の顧客のものを検討中であると付け加えた。
Intelのエグゼクティブバイスプレジデントを務めるDavid "Dadi" Perlmutter氏は、2つの新しいリファレンスデザインを披露した。1つはスマートフォンで、もう1つは7インチのタブレットであった。Perlmutter氏が披露した端末はどちらも薄いものだった。正確なサイズは明らかにされなかったが、両方とも、現在市場に出回っている最薄型のスマートフォンやタブレットと同じくらい薄かった。
Intelの課題は、洗練されたこれらのデザインを、消費者が購入したくなるような製品として実現することである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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