Appleは、Final Cut Expressがなくなったのかどうかについて何も語っていない。Final Cut Expressは、iMovieとFinal Cut Studioの中間に位置する製品で、価格は199ドル。ただ、Appleのプレゼンテーションの最後にFinal Cut Expressについてなされたコメントから、Final Cut Pro Xがリリースされて、より低価格のバージョンが出たら、Final Cut Expressは引退する可能性が高いと推測できる。Appleのプロフェッショナル向け動画関連製品のマーケティング担当ディレクターRichard Townhill氏は、次のように述べている。
--Final Cut Proを持っていても299ドル払う必要があるのか。最後には、2種類の異なる形式を持つにいたった。アップグレード価格、Final Cut Express、Final Cut Studioだ。そして、このようなことは本当に止めたいと考えるようになった。価格体系を非常に単純化し、Final Cut Proを買いたいと思う人にとって簡単になるようにしたいと考えた。そして、299ドルという驚くべき価格で提供することを決定した。
支払う必要がある。過去のバージョンでは、新バージョンが出ると旧バージョンのユーザーはより低額のアップグレード価格で購入できたが、Final Cut Pro Xについては誰でも299ドル支払う必要がある。
1つ覚えておいてほしいは、Final Cut Studioの以前のアップグレード価格も299ドルだったことだ。よって、以前より高くなったわけではない。ただ、他のビデオ編集ツールと同等の機能が提供されなければ、同じ価格で得られるものが少なくなってしまうとも言えるかもしれない。
--小売店で購入できるか。できない。Appleから発表されたのは、Final Cut Pro Xは「Mac App Store」からダウンロード販売されるということだけだ。ダウンロード販売であれば再ダウンロードが可能であるため、シリアル番号を入力したり物理メディアをなくしたりする心配をしなくて済むという利点はある。
--動作環境は。Appleはまだハードウェア要件を発表していないが、Final Cut Pro XはMac OS X v10.6固有の機能を多数利用しているため、Snow Leopard、特にGrand Central Dispatchが必要になるだろう。Final Cut Proの現行バージョンでは、Mac OS X v10.5.6以降が要件となっている。
--製品名はどうなったのか。「X」はMac OS Xと同様にローマ数字であり、「Final Cut Proテン」と読むことになる。ただしこれが実際にFinal Cut Proの10番目のバージョンというわけではない。前回はバージョン7だったため、厳密にはこれはバージョン8ということになる。
バージョン8と9自体がなくなったというわけではない。Appleは単に、「Leopard」からSnow Leopardにしたときに「QuickTime 7」から一気に「QuickTime X」にしたのと同様の名前の付け方をしたようだ。Appleは「iLife」アプリケーションについても同様のことをしており、奇妙なことではあるが異例というわけではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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