UPDATE Appleは米国時間4月12日夜、プロフェッショナル向け動画編集ソフトウェアの新版「Final Cut Pro X」を発表した。同社はこれを、12年前のプラットフォームを全面的に作り直したしたものだと述べている。
Final Cut Xは、Appleの「Cocoa」で記述された64ビットアプリケーション。新しいインターフェースを採用しているほか、バックグラウンドレンダリング、マルチコアプロセッサやAppleの「Grand Central Dispatch」システムを最大限に活用することで編集プロセス高速化する機能を備えており、動画のインポート中に編集を行うオプションも利用できる。
Appleによると、Final Cut Xは6月からダウンロード経由で299ドルで利用可能になるという。これは、199ドルの「Final Cut Express」に代わるもので、999ドルの「Final Cut Studio」スイートから価格が大幅に下がっている。
この新しいソフトウェアは、映像編集者向け年次イベントSupermeetで発表された。同イベントは、ラスベガスで開催のNational Association of Broadcasters(NAB)トレードショーに合わせて開催されている。つまり、Appleは、Final Cutの新版をNABで再び発表したことになる。ただし、同社は、今回もNAB自体には参加していない。
Appleは先週、Supermeet主催者に対し、予定されている講演のほか、Avidのような競合やキヤノンのようなハードウェアメーカーによる協賛をキャンセルし、自社のみを講演させるよう依頼したと報じられて話題となった。
そして、それは事実となった。Appleのビデオアプリケーション担当チーフアーキテクトRandy Ubillos氏とFinal CutアーキテクトのPeter Steinauer氏が登場し、Final Cut Pro Xの概略を説明し、詳細なデモを披露した。
新機能には、人間が写っている場面と、その場面のタイプを検出するツールも含まれる。この2つの機能はAppleが最新版の「iMovie」に追加したものだ。iMovieから採用された機能はそれだけではない。マウスカーソルを重ねて動かすだけでクリップの内容をプレビューできる「スキミング」機能も搭載している。
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