Appleは先週、「Final Cut Pro」の次期メジャーバージョンを披露した。Final Cut ProはAppleの動画編集ソフトウェアで、「Mac」に標準搭載されてより広範に普及している「iMovie」の上位製品にあたる。
同ソフトウェアは6月に発売予定。2年ぶりのアップデートで、Appleにとって大胆な一歩である。パッケージやディスクを廃止しており、ダイレクトダウンロードとして提供される。また、プロ向け動画編集スイートの一部として提供されている現行バージョンと比べて、価格も700ドル安い。
だが、そこまで値下げされると、「なくなった機能はあるのか」「現行の『Final Cut Studio』ユーザーにとってはダウングレードになるのか」といった疑問が浮かんでくる。ここでは読者の疑問に答えるFAQをお届けする。
--どのような新機能が追加されたのか「Final Cut Pro X」にはさまざまな新機能や細かい変更が追加されているが、本当に重要なのは64ビットに対応したということだ。これにより、使用できるRAMの量が増加する。また、「Core Animation」「OpenCL」「Grand Central Dispatch」といった「Mac OS X v10.6 Snow Leopard」の新しい低レベルシステム機能を利用するため、可能な限り多くのプロセシングコアとGPUを使うことができる。
その結果、Final Cut Pro Xではレンダリング時間が事実上なくなり、ユーザーはコンテンツに加えた変更を瞬時に確認できるようになったという。これを管理しているのが新しいバックグラウンドレンダリング機能で、変更が加えられるたびにバックグラウンドで変更を処理している。
インターフェースも全面的に変更された。Appleが新インターフェースで力を入れているのは、動画編集者がカットを作成する際によく必要となる3つのセクションだという。プレビューエリア、新しいメディアブラウザ、刷新された編集タイムラインの3つで、そのうちメディアライブラリツールとタイムラインの2つで大幅な変更点の多くを確認することができる。
クリップを整理するメディアライブラリツールは、大がかりな動画編集作業をいくつか実行できるように再設計された。この機能は、旧バージョンを使っていたプロの編集者が米CNETに対し、改善の余地があると感じたと話していた機能で、AppleがFinal Cut Pro Xで対応した機能でもある。
新しいライブラリでは、転送完了前のインポート中のメディアに編集を施すことができる。また、動画がインポートされている間に場面を分析することもできるため、編集者による選別がしやすくなる。この機能には、場面のタイプ(クロースアップショット、ミディアムショット、ワイドショット)や人間が写っているかどうかを検出できるツールが含まれる。カラー管理を実行し、動画が不安定な場合は安定させることも可能。さらに、インポートが完了した動画を範囲に基づくキーワードによって整理することができ、この機能を使って特定のクリップ、またはクリップ全体にタグを付けることで、後で検索して取り出せるようになる。
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