ただし、ここでの明白な動きは、AppleがiPadをコンピュータに接続する主要な手段を、リリースされたばかりの規格に限定したくなかったということだろう。過去のそうした限定の好例として、FireWireテクノロジと「iPod」の台頭が挙げられる。iPodは最初に発表されたとき、PCへの移行を果たすまで、FireWireと「Mac」にしか対応していなかった。iPodが登場したのはテクノロジ史における厄介な時期だった。USB 2.0が普及し始めたばかりで、PCメーカーがAppleの6ピンのFireWireプラグよりも電源供給に非対応の4ピンのi.Linkポートを好んでいたころだ。
その結果、iPodの同期は行えるが、同時に充電をすることはできないという事態になった。また、同期中にバッテリが切れないように、一定量以上のバッテリを残しておく必要があった。AppleはUSB 2.0へ完全移行する前の一時的なソリューションとして、FireWire経由でデータを転送しながらUSBポート経由でiPodを充電できる2-in-1ケーブルを出荷した。最終的に、AppleはFireWireを段階的に廃止してUSB 2.0へ移行したが、その過程で持続的な転送速度をいくらか失った。長い同期の場合は、その影響が顕著に表れることがある。
Thunderboltはその速度を取り戻す手段になるかもしれない。ただし、新しいMacBook ProにはThunderboltポートが1つしかなく、外部ディスプレイの接続にも使われるため、Thunderboltはまだユーザーがいつでも気軽に利用できるようなプラグにはなっていない。しかし、こうした状況は少し時間がたてば変わるはずだ。
近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)を利用すると、近距離にあるデバイス同士で情報をやり取りすることができる。仲介サービスを使うことにより、2台のデバイスをぶつけ合って情報をやり取りできるようにする「Bump」アプリケーションのようなものだと考えればいい。NFCはそれを次の段階へ進めたもので、仲介者を通すことなく2つのデバイス間で実際にデータを送受信できる。
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