よってGoogleは、今よりもしっかりしたバージョンのソフトウェアを、より着実にリリースして、ユーザーやパートナーがひと息つけるようにする必要がある。例えば、Androidの開発が目もくらむような速さで行われたことは、コンシューマーと携帯電話メーカーにとってある意味では良いことだったが、他方ではそのような開発によってユーザーに混乱をもたらすおそれもある。Verizonが先日広告したような最先端の高機能アプリはどのバージョンのAndroidで動作するのか、また使用中の端末にそのバージョンをインストールすることを、携帯電話メーカーがいつ承認するのかといったことだ。同様に、「Google TV」ももっと完成度が高ければ、初期に受けた批判の一部を回避できた可能性がある。
最近は、インターネット検索でGoogleと張り合おうと真剣に考える企業はほとんどない。むしろ、ウェブの訪問者を獲得し、広告料を稼ごうとしている企業は、ユーザーのソーシャルグループを作り、ウェブ版のコーヒーショップやナイトクラブを構築しようとしている。それは友人と楽しく過ごしたり、新しいことを学んだりできる場であって、図書館のように、調べ物をするには必要だが土曜日の夜に行く気にはならない場所とは正反対のものだ。
Googleはこうした傾向をはっきりと認識しているが、2010年にはソーシャル分野にさらに参入しようという取り組みはほとんどなかった。ウェブはゼロサムゲームではない。人々は、友人に聞けないことや、聞きたくないことがあれば、いつでも検索ボックスに向かうだろう。しかし、Googleの検索エンジンには分からないような情報であれば、ソーシャルグループ上の友人に質問することもあるだろう。あの店には自分のリビングに合うような色の商品が置いてあるかとか、あそこのバーには自分の姉と同じ大学の出身で、飲み物をおごってくれるようなバーテンダーがいるかといったことだ。
Googleに必要なのは、人々にそうした情報をGoogleのドメイン内で共有してもらう方法を探すか、あるいはFacebookとそのユーザーを説得して、そうした情報を大量にGoogleの検索エンジンへ公開してもらうことだ。しかしそれよりも、次世代のウェブの構成図を急いで設計しつつ、Facebookを油断させない程度にソーシャル化を進めるほうが簡単かもしれない。
インターネット上での情報の収集や蓄積の方法がソーシャルネットワーキングによって変わったように、ソーシャルネットワーキングの運営方法を変えるような何かが登場するだろう。Googleが数十年にわたってウェブに影響を与え続けたいのなら、この次の展開を逃してはならない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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