政府に公に裁かれることによってGoogle経営幹部が直面するであろう困難や障害は、歓迎されるものとはいえない。しかし同時に、Googleがやってよいこととやってはならないことがはっきりしない状態では、ビジネスにとっても良くないし、規制当局も無能と見られてしまう。規制当局は、手持ちのカードを見せて、Googleを野放しにしておくことは国にとって良くないと証明するか、さもなければGoogleの競合他社からの泣き言に耳を傾けることをやめるべきだ。
Googleと米政府は、ある時点で大規模に衝突することになるだろう。2011年にその口火が切られるかもしれない。
何年もの間、Googleを理解することは極めて単純だった。同社が運営するインターネット検索エンジンは、世界史上最高のものであり、考えられる限りのほぼすべてのものについて、検索キーワードに一致する関連ウェブページをすばやく見つけることができるという理解だ。
しかしGoogleは、今ではそれをはるかに超えるものとなっている。検索をやめたわけではないが、コンシューマー向けソフトウェア企業という面が大きくなってきており、携帯電話、テレビ、オフィス、各種ガジェットで使用される製品を提供し、対応ガジェットの種類はますます増えてきている。
その成長によって浮き彫りになった課題の1つは、もっと美しいものを作る必要があるということだ。Googleがこれらの市場で提供している製品は、平均的なコンシューマーにはギーク向けで複雑過ぎるという印象を与える傾向があり、その点はGoogleのAndroidプロジェクトのリーダーであるAndy Rubin氏も2010年の終わりに認めている。
どういうわけか、「シンプルで整理されていて使いやすいもの」というGoogleのウェブデザイン美学が、同社のコンシューマー向けソフトウェア製品には現れていない場合がある。この点でGoogleを直接Appleと比べるのは公平でないかもしれない。Appleはソフトウェア「iOS」がどのような形でエンドユーザーに提供されるかをはるかに厳格に管理できる立場にあるからだ。しかし公平であろうがなかろうが、現時点ではその点がモバイルコンシューマー向けソフトウェアの評価基準であり、Googleは必ずしもその基準に達していない。
また、ウェブの世界では、「リリースして更新を繰り返す」という方法(軽微な変更を小刻みに行うことができ、顧客に料金は発生しない)が優れた製品開発戦略となるが、コンシューマー向け電子製品の世界では必ずしもうまくいくわけではない。ユーザーが購入後初めて製品を使用するときの使用感からして満足のいくものである(あるいは、少なくともひどいものではない)必要があり、そうでなければ、いかにすばやくパッチをリリースしようとも、ネガティブな印象が形成され始めてしまう。
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