大金の使い道というのは、テクノロジ業界でも意見が分かれるテーマだ。伝統的に、多くの企業は四半期に1回と年に1回の配当金で株主に利益を還元してきたが、大半のハイテク企業はそういうことをしない。
これらの企業にとって株式を所有することは、価値が上がったときに売却するための機会である。配当金を支払わない大手テクノロジ企業には、DellやCisco Systems、Google、米Yahoo、EMC、Adobe Systemsなどがある。
Ciscoは同社株主に対し、「現時点では、株式買い戻しプログラムに組み合わせて、弊社事業への戦略的な投資を継続し、潤沢な現金残高を維持することが、株主にとって最も大きな利益になると考えている」と主張している。
しかし、テクノロジ業界にも伝統主義的な企業は存在する。IBMは直近の四半期に8億1900万ドルの配当金を株主に支払った。Hewlett-Packard(HP)は1億8700万ドル、Oracleは2億5100万ドル、Intelは8億9100万ドルだ。このような配当金が支払われるという期待で企業の株式の魅力が増し、それが株価上昇につながることもある。
最も興味深いのはMicrosoftかもしれない。同社は前四半期、11億2500万ドルの配当金を株主に支払った。1990年代にMicrosoftの株価が急騰したとき、投資家と「Microsoft億万長者」は裕福になったが、その後同社の株価は横ばいになった。Microsoftは2004年に方針を転換して、配当金の支払いを開始した。そして、従業員への報酬については、ストックオプションの代わりに、株価が上昇するかどうかに関係なく価値が伴う株式の提供を始めた。
Appleは近年、変貌を遂げてきた。最初は「iPod」が、次は「iPhone」が、そして今は「iPad」がその変化を後押ししている。多額の現金があることで、Appleは大胆な動きを検討できるようになった。
Appleがコンピュータチップ設計企業を買収したいと考えたらどうだろうか。Advanced Micro Devices(AMD)やNVIDIA、ARM、Texas Instrumentsはそれぞれ手の届く範囲にある。あるいは、ワイヤレスキャリアはどうだろうか。Verizonには手が届かないが、Sprint Nextelなら時価総額は133億ドルだ。こうした買収が実現する可能性は低いが、これはAppleが蓄積してきた軍資金の強大さを示している。
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