E3が見たゲーム業界--巨大見本市を通して振り返る変遷(第5回) - (page 2)

文:Giancarlo Varanini(GameSpot) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年09月10日 07時30分

E3 2008--そして、帰ってきたのだが

 サンタモニカでの開催は賛否両論だったため、E3は再びロサンゼルスコンベンションセンターに戻って来た。しかしそれは、かつての姿への回帰ではなかった。激しい音楽が鳴り響く巨大なブースではなく、E3の大半はメインエキシビションホール周辺のミーティングルームで行われ、そのためにTake-Two Interactive Softwareなどさらに多くのサードパーティーは、自前のプレスカンファレンス開催を余儀なくされた。だが、「Dead Space」や「ミラーズエッジ」といった注目タイトルを持っていたElectronic Artsを除いては、ソニー、任天堂、Microsoftが中心であった。任天堂のカンファレンスはやや凡庸な内容で、「Wiiスポーツリゾート」、Wii Music(このゲームとぎこちなかったデモは明らかに失敗だった)、「街へいこうよ どうぶつの森」(と周辺機器の「Wiiスピーク」)が展示の大半を占めていた。Microsoftは新しい「Xbox 360ダッシュボード」のアップデートや「Gears of War 2」、Fallout 3、「Fable II」といったタイトル、そして「Netflix」で対抗した。さらに、Microsoftが「Halo 3:ODST」の発表をE3の直前へと前倒しするというバックステージでのちょっとした事件もあったが、後にLos Angeles Timesに対し、この作品のお披露目は単独のイベントで発表すべきだった、と語っている。そして最後にソニーは、如才なくリトルビッグプラネットをプレゼンテーションの中心に据え、「God of War III」の大変短いトレイラーと、「RESISTANCE 2」や「inFAMOUS」のデモで周囲を飾っていた。

 確かにE3 2008では大物タイトルがめじろ押しであったが、小型化したショーはよくいえば機能的、悪くいえば、映画業界以上の売り上げを誇る業界のイベントにしてはパッとしないものであった。

E3最優秀コメント:
 「すべての来場者、われわれのようなパブリッシャー各社、そして取材するマスコミや金融アナリストに至るまで、このような運営体制とロジスティックスには明らかに不満を抱いていた。人間の魂も感じられず、イベントの中心たる場所もない。こんなバラバラのレイアウトでは、世界で最も成長の早いエンターテインメント業界のイベントであることなどまったく感じさせない」
-名言製造機のPeter Moore氏(EA Sports社長)。トーンダウンしたE3に対する見解として

 そうこうあって、E3は2009年、再びロサンゼルスコンベンションセンターに戻って来た。業界内の者は、過去のショーへは回帰しないと言うだろうが、今その方向へと確実に歩を進めているのである。ホールは再び喧騒と興奮に包まれたが、それこそがE3なのだ。そしてゲーム業界の未来は、当サイトに掲載されたE3 2009関連記事から垣間見えてくるだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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