E3 2007を振り返る--出展者の反応は複雑

文:Tor Thorsen(Special to CNET News.com) 翻訳校正:石橋啓一郎2007年07月20日 20時16分

 カリフォルニア州サンタモニカ発--「狂気の沙汰だ」というのが、初めて2006年のElectoronic Entertainment Expo(E3)を訪れた人の感想だろうが、このイベントを長く経験しているベテランの多くも、同じように感じたに違いない。2006年の5月10日から12日にかけて、ロサンゼルスコンベンションセンター(LACC)には6万人の来場者がひしめき合い、この会場は一時的に、耳をつんざくような激しい音、音楽の鳴り響く迷いやすい迷路、効果音の叫び、まぶしいネオン、そしてゲーム画面を延々と流し続ける巨大なスクリーンで埋め尽くされた。出展者の1つであるNCsoftは、大音量を鳴らしてステージショーを始め、近隣のブースの音をかき消したことで、5000ドルの罰金を科された。最終日にクロージングのラッパが鳴ったときには、多くの参加者が「E3はこれ以上どう大きくなるのか」と思ったものだった。

 実際のところ、このイベントは大きくはならなかった。E3 2006が終了して2カ月半後、E3の組織母体であるElectoronic Software Association(ESA)は、2007年のイベントの変更を発表した。イベントはE3 Media and Business Summitと名称を変え、はるかに小さいものになった。大量の業界関係参加者が、LACCに何百万ドル分ものの展示を詰め込むというイベントから、新しいE3はわずか5000人前後の開発者、出版社スタッフ、アナリスト、メディア関係者が、サンタモニカのさまざまな場所を飛び回るというものに変わった。

 多くの人間にとっては、E3 2007の運営は複雑すぎるように感じられたが、イベントが火曜の夜に非公式に始まってみると、その大部分は比較的単純だということが証明された。Microsoftと任天堂の記者発表は互いに1ブロックの距離で行われ、半径半マイル以内のほとんどすべてのホテルのスイートルームは、パブリッシャーのプライベートゲーム展示のために予約された。

 ソニーのCulver Cityのプレスイベントを除いては(このイベントのあと、何百人ものレポーターがロサンゼルスの反対側の任天堂のイベントへ、狂ったようにダッシュしなくてはならなかった)、貼り付く場所は1つしかなかった。フェアモントのミラマーだ。ESAはStarlight Roomでサードパーティの記者会見を次から次へと開催したのだが、すべての出席者は、会見が終わるごとに一度部屋を出なくてはならなかった。同じ部屋のイベントに続けて出席する参加者までが、それぞれ自分の荷物を一度まとめ--撮影機材をすべて運ばなくてはならないことも多かった--ほんの15フィートばかり歩き、部屋が「リセット」されるのを待ち、また同じ部屋に入るのだ。この絶え間ない入替えは、フェアモントのイベントの遅れの連続を引き起こし、繰り返し移動させられる参加者たちは、不平だらけだった。

 あまりはっきりしなかったのは、E3のショーのメインフロアに対する反応だ。このショーフロアは比較的近いバーカーハンガーに位置していたが、出席者がそこへ行くにはシャトルバスに乗るか、何マイルか運転する必要があった。着いてみると、その会場は文字通りハンガー(格納庫)だった。雲もあまりない天気で、強い日差しはこのシンプルなブリキの建物を大きな保温庫にしてしまっており、これを解決するためのエアコンが無計画に置かれていた。このため、スクウェア・エニックスなどの一部のブースは必要以上に寒く、別の場所ではゲーマーが動かない空気の中で汗を垂らしているという有様だった。

 実は会場には仕切りがなかったため、「ブース」というのは正しい表現ではない。各パブリッシャーのスペースには、同じ机が並べられており、禅宗のように最低限のものしか置かれていなかった。ゲームの名前は、ゲームステーションのモニタの下に小さなプラカードで表示されるだけで、それもいくつかの決まったサイズに制限されていた。ハンガーの騒音のレベルは大きかったが、これまでのような耳をつんざくようなメディアのプレゼンテーションはなかった。MidwayのDavid Zucker社長がGameSpotに語ったように、この新しい形式は「ゲーム自身に語らせる」ことを狙ったものだ。

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