E3が見たゲーム業界--巨大見本市を通して振り返る変遷(第4回) - (page 3)

文:Giancarlo Varanini(GameSpot) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年08月27日 07時30分

E3 2006--全機集合

 E3が肥大化する兆候があったとすれば、それはE3 2006であろう。Microsoft、任天堂、そしてソニーはこの年、おのおののハードウェアを大々的に展示していた。Xbox 360は正式登場から2年目を数え、PLAYSTATION 3とWiiはローンチに向けて着々と準備中(PSPとニンテンドーDSの展示は言うまでもない)といった具合で、注目すべきことが山ほどあった。

 まず初めは任天堂である。プレスカンファレンスでWiiに関する多くの発表を行い、締めくくりに宮本氏がバーチャルオーケストラを指揮した。それを聞いた人々は、新ハードウェアを手に取ってみようと任天堂ブースに殺到した。任天堂ブースで特に目を引いた(そして不気味だった)のはずらり並んだビデオウォールで、そのモニター1台ごとに人がひとり映っており、「Wiiリモコン」と「ヌンチャク」を使ってさまざまな動きをデモンストレーションしていた。だが、多くの人が(少なくともショー初日には)気付かなかったのは、ビデオウォールに映る人々はこちらの姿を見るのみならず、話しかけることもできたという点であった。ブース内部には、新たに発表されたWii向けの「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」「Wiiスポーツ」「Wii Music」「メトロイドプライム3 コラプション」、そして忘れてはいけない「スーパーマリオギャラクシー」など、プレスカンファレンスで発表された内容のほぼすべてが展示されていた。そしてこれは間違いなく、任天堂がこれまでにも増して多くのサポートを得ていることを示していた。

 ソニーについては、プレスカンファレンスが凡庸だったこともあり、ややつまずき気味のスタートとなった。カンファレンスが不振だった理由は単に、数点のトレイラーを除き、発表されたほとんどのものがかなり失望する出来であったためだったが、だからといって、E3という場で大きな存在感に欠けたわけではない。ソニーのブースは、プライベートホームシアター風の部屋と「Heavy Rain」などのデモ展示の2階建てという作りになっており、PLAYSTATION 3や「WARHAWK」「Heavenly Sword〜ヘブンリーソード〜」「RESISTANCE〜人類没落の日〜」「マッデン NFL 07」といったタイトルを見にやって来た人々すべてを収容できるほど広い造りであった。そのほかには、UbisoftがPLAYSTATION 3向け「アサシン クリード」の初期バージョンを発表し、小島氏は「メタルギア ソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」の初トレイラーを披露して大いに話題をさらった。

Halo 3のマスターチーフが初公開。 Halo 3のマスターチーフが初公開。

 だが今回ばかりは、メタルギアのトレイラーだけに熱い視線が集中したわけではなかった。「Halo 3」の初トレイラーという強敵が現れたのである。正直なところ、Halo 3のトレイラーはゲーム部分をほとんど見せていなかったが、MicrosoftのE3カンファレンスで猛烈な拍手喝采(かっさい)を受けるのに十分な内容であった。さらに、ビッグニュースはこれだけではなかった。Microsoftは、「グランド・セフト・オート」シリーズとしてはXbox 360初登場となる「グランド・セフト・オートIV」を発売し、そしてこのXbox 360版では専用のダウンロードコンテンツも用意されることを発表した。また、非公開講演でMicrosoftと各サードパーティーは、「デッドライジング」「Mass Effect」「あつまれ!ピニャータ」「ブルードラゴン」といった多彩なタイトルを発表していた。

E3最優秀コメント:
 「これぞ『リッジレーサー』だ」
-ソニー・コンピュータエンタテインメント、バイスプレジデントの平井一夫氏

 第5回へ続く(隔週で公開)。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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