E3が見たゲーム業界--巨大見本市を通して振り返る変遷(第4回) - (page 2)

文:Giancarlo Varanini(GameSpot) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年08月27日 07時30分

E3 2005--次世代機の登場

 新しいハードウェアの発表があるE3はどこか違うもので、ほかの年よりずっと刺激的なものだ。そして言うまでもなく、E3 2005はそれに該当する重大な年であった。この年、「Xbox 360」「PLAYSTATION 3」「Revolution」(「Wii」)のすべてのハードウェアが、程度の差はあれ、一堂に会したのである。任天堂は新ハードウェアのモックアップ(コントローラもなく、ゲームのダウンロードサービス以外の詳細情報もない)を展示したが、Microsoftと(程度はやや落ちるが)ソニーは、次世代機という魔法の器に関して多数の展示を用意していた。

正式にWiiと名付けられる前の姿。 正式にWiiと名付けられる前の姿。

 実際、ソニーは、プレスカンファレンスで発表したPLAYSTATION 3の技術デモでかなりの話題を振りまき、中でも注目されたのは現在でも悪名高い「KILLZONE 2」デモであった(非常に明白な証拠があるにもかかわらず、今日になってもあれがリアルタイムムービーだったのかと疑問を抱く者がいる)。次に「ファイナルファンタジーVII」の技術デモも流れ、待望のファイナルファンタジーVIIのリメイクがスクウェアからついに登場か、という憶測に会場内は包まれた。そしてお祭り騒ぎの中心近くで、ソニーはまた別のタイトルのトレイラーを発表した。それが「MotorStorm」であり、リアルタイムムービーかCGグラフィックかという論争のなかでさらに多くの疑問が投げかけられた。ソニーのプレスカンファレンスでは、PLAYSTATION 3自体の初期情報を含む多数の発表があったが、上記3タイトルのデモが最も強烈かつ人々の心に残る印象を与えたのだった。

 MicrosoftはほぼXbox 360一色で、「DEAD OR ALIVE 4」「ゴーストリコン アドバンス ウォーファイター」「ロストオデッセイ」「PGR3 - プロジェクト ゴッサム レーシング 3」、カメオ:エレメンツ オブ パワー、「パーフェクトダーク ゼロ」(Microsoftはこの1週間前にMTVで発表していた)といったタイトルが、Microsoftのプレスカンファレンスと会場内ブースで大々的に発表された。だが、これだけのタイトルを向こうに回し、Xbox 360の技術力を表現する最高のデモとして多くの媒体で報じられたのが「Gears of War」であった。そして興味深いことに、Xbox 360の発売にあわせてリニューアルされるXbox Liveは多くの人の話題となり、特に新しく導入される「Xbox Live マーケットプレース」と「実績」の概念に注目が集まった。

E3最優秀コメント:
 「次世代ゲームではかつてないほどのオーディオビジュアル体験の融合が起こり、実世界を超える世界を創り出す。そして、強烈にプレーヤーを引きつけるストーリーやゲームプレイによって、明晰夢(めいせきむ)の中にいるような気分を生むのだ」
-Microsoftコーポレートバイスプレジデント(当時)のPeter Moore氏。Xbox 360の可能性を評して

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