5回目のE3はロサンゼルスに戻ったが、ショーの数カ月前に火がついたセガとソニーとの激しいライバル関係も再燃したかのようだった。1999年3月、ソニーは「PlayStation 2」を正式発表し、新たなハードウェアのパワー(そしてナムコやスクウェアといったメーカーからのサポート)を見せるための技術デモ数点を披露した。当然ながら、セガのドリームキャストではこの猛攻に勝てる見込みはないとの見方が多数を占め、1999年3月2日付の米GameSpotニュースレポートでも次のように伝えていた。「ここ数カ月、ゲーム関連ニュースはドリームキャスト一色だったが、ソニーが現地時間3月2日に東京でPlayStation 2を発表した瞬間に状況は一変した」
PlayStation 2はE3で多くの話題を振りまいてはいたが(それは主に「グランツーリスモ2000」のプレイアブルデモや、ファイナルファンタジーVIIIのダンスホールシーンのリアルタイムレンダリングのおかげであった)、それでもセガとドリームキャストのローンチラインアップを完全に圧倒するには十分ではなかった。そのセガはというと、あっと驚かせた「ソウルキャリバー」の移植から「READY 2 RUMBLE BOXING〜打ち込め笑いのメガトンパンチ!!〜」、のちに「NFL 2K」シリーズとなる「NFL Football」といったサプライズ発表まで、ドリームキャスト向けのタイトルを豊富に用意し、家庭用ゲーム機市場でのれっきとしたライバルであることを明確に示してみせた。しかし、最も重要だったのは、ドリームキャストは(日本版の33Kモデムと異なる)56Kモデムを利用可能であり、しかもローンチ時には同梱して発売するという正式発表があったことだろう。
ライバルたちに完全に息の根を止められることなく、任天堂は「パーフェクトダーク」「スターツインズ」「ドンキーコング64」(すべてRare開発)を発表し、「NINTENDO 64」という果実からまだまだ果汁を絞り取ろうとしていた。だが、会場のすべての者が驚いたことに、任天堂はコードネーム「Dolphin」という次世代機(最終的に「ニンテンドーゲームキューブ」となる)のスペックを発表し、NINTENDO 64への注力を自ら放棄したのだ。そして観衆は、次世代機のマリオとゼルダという夢に思いをはせた。
E3最優秀コメント:
「(『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』の)制作を終えたところだが、本作は最新技術の数々を駆使した作品となった。これほどの作品は、今まで誰も作ることはできなかった。われわれはフル3Dのデジタルキャラクターと非常にリアルな3D環境を作ってきた。そして自分たちを大変誇りに思いながら、あそこで座っていたのさ。どうだ、おれたちはほかの連中よりずっと先を行ってるんだぞ、とね。すると机の上に、この『おもちゃ』が出てきたんだ。このゲーム機はわれわれが普段使っているものよりずっとパワフルで、映画制作でやっていることを再現できる。つまりこれは、われわれが4年間努力して作ってきたものが、1年後には大衆の手に渡ってゆくようなものだ。映画の中のクオリティとまったく同じとはいかないが、テレビ用には十分すぎるクオリティといえる。これは驚くべきことだ」
-George Lucas氏。E3でのRoger Ebert氏とのインタビューで、PlayStation 2のハードウェアとスター・ウォーズの新作を制作時に使用したハードウェアの類似性について語って
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