503iシリーズの登場によって、ケータイはまた1つ大きな進化を果たしたことになる。この503iシリーズから「iアプリ」が使えるようになった。キャッチとしては、「ゲームがダウンロードできるようになりました」というわけだが、言い換えればプログラムをダウンロードし、端末上で実行できるようになったということ。つまり、それまでは「情報通信機器」だったiモード端末が、503iからは「持ち歩けるコンピュータ」に進化を果たしたということになる。
実際、iアプリのスタート時、プログラマーたちの間で大いなる盛り上がりを見せた。自分たちがプログラミングしたソースをケータイ端末上で実行できる――これが何より楽しく感じたのである。
503iシリーズは、F503iとP503iの2モデルが同日発売となった。すぐにアマチュアプログラマーたちの間で「プログラム実行環境としてのケータイ」が評価されたが、プログラムの実行速度やプログラム保存件数などで圧倒的にF503iが優位となり、その後「iアプリといえばF」という勲章を得ることとなった。