MSのヤフー買収が成立していたら--もう1つの歴史を考える - (page 2)

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年02月04日 07時30分

統合地獄

 Microhoo統合のうち、いくつかの部分は比較的単純であったと思われる。まず経営トップである。

 歴史を書き直してYang氏が買収契約を承認したと仮定したら、それはYang氏が強硬な反対派の意見をかわしたということを意味し、体面上、1年ぐらいはCEOの地位にとどまっただろう。そして同氏は、少なくともしばらくの間は、自分の赤ん坊を新しい両親に手渡すために動くという、助けになる種類の人間だろう。簡単なことではなかっただろうが、Yang氏には少なくとも数年間、ほかのCEOの下で働いた経験がある。

 ではオンラインで強いブランドを持っているのはどちらだろうか。それはYahooである。

 Microsoftは「MSN」と「Windows Live」のブランディング問題が足かせとなっているが、Yahooというブランドは長年にわたり高い評価を得てきた。Hitwiseによれば、2008年4月時点でYahooのフロントページのポータル市場シェアは61%であり、一方MSNは20%となっている。しかしブランドの寿命は長く、買収の成立から現時点ではまだ数カ月しか経過しておらず、その間にMicrosoftが大規模な変更を行う機会はあまりなかったはずだ。

 技術的には、YahooとMicrosoftはまったく異なっている。Yahooがオープンソースソフトウェアを幅広く活用し、「Firefox」を好んでいることは、Microsoftにとっては腹立たしいことに違いない。しかし便法として、またそのインターネット資産がどのような構造かを実際に知っているYahooの管理者やコード開発者を動揺させるのを防ぐため、Microsoftは少なくとも1年は現状のままで業務を続けて行ったであろうことはほぼ確実である。Microsoftはすでに、「Hotmail」を「UNIX」から「Windows」に移すという時間のかかる困難な事業を経験済みである。

 しかし哲学的な観点から見ると、インターネットの重要性が高まる一方であることや、Googleという競合企業の脅威によって同じ方向に追い立てられていることから、MicrosoftとYahooは1つになりつつあると言える。両社ともに洗練されたオンラインサービスを望んでおり、トラフィックの多いより優れた検索サイトを求めており、人々のインターネット上での生活におけるハブとなることを希望しており、またオンライン広告においてほかに選択の余地がない存在になりたいと思っている。

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