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アドネットワークは日本に定着するのか?

執筆:佐瀬和久 アドバイザー:福島慎一 監修:海老根智仁(株式会社オプト)2008年08月25日 15時17分
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 最近、媒体社のアドネットワーク事業への取り組みが目立ってきています。2008年の7月だけでも、マイクロソフト、楽天、So-net、ライブドアなどがアドネットワーク事業への新規参入を発表しました。

 なぜ、今アドネットワークが注目を浴び、参入が相次いでいるのか、また、はたして日本においてアドネットワーク事業は成功するのかを考えていきたいと思います。

米国におけるアドネットワークの現状

 Advertising.comによると、米国ではオンライン広告配信形式の7割以上をアドネットワークが占めているといいます。また、eMarketerの予測によると、2010年までにはアドネットワークによる広告取扱額が50億ドル規模に達するとのことです。

 さらに2007年から2010年までのアドネットワークの平均成長率は31%と見込まれ、同じ期間での検索広告の平均成長率23%、アドネットワークを介しないディスプレイ広告市場の平均成長率15%に比べても、その成長性は注目を集めています。

米国におけるアドネットワーク成長の理由

 米国でアドネットワーク市場が伸びている理由として下記の3つが考えられます。

  1. 各アドネットワークが膨大なユニークユーザー(UU)数、リーチを確保している
  2. テクノロジーの発展と多様な広告メニュー体系の整備がなされている
  3. 広告主主導での広告枠確保の仕組みが進んでいる

1.各アドネットワークが膨大なUU数、リーチを確保している

 理由の1つとしてまずは、莫大なリーチを確保しているということが上げられます。下の表は、comScoreが2008年の4月に発表した米国メディアのUU数です。

comScore Ad Focus Ranking(単位:千UU)
順位PropertyUnique VisitorsReach
Total Internet:Total Audience190,728100%
1Platform-A170,50889%
2Advertising.com167,74988%
3Yahoo! Network160,20684%
4Google Ad Network155,88282%
5Specific Media144,77376%
6ValueClick Networks140,93074%
7Yahoo!138,91273%
8Tribal Fusion135,11371%
9Google133,52870%
10Casale Media network127,18467%
comScore Media Metrix(2008年4月)

 上位10位のうち、7位Yahoo!、9位Googleを除いたすべてがアドネットワークです。上位10位はすべてUU数が1億を超えており、1位のPlatform-Aに至ってはUU数が1.7億、リーチが89%となっています。

 この圧倒的なUU数、リーチが、様々なターゲティング技術の活用やセグメントを可能とし、様々な広告主のニーズに応える源となっているのです。

2.テクノロジーの発展と多様な広告メニュー体系の整備がなされている

 近年、「行動ターゲティング」や、「行動リターゲティング」などのテクノロジーが開発され、日々精度を高めていっています。

 行動ターゲティングとは、ある特定の媒体に来訪したユーザーの行動履歴をクッキー付与によりトラッキングし、行動特性ごとにセグメントを実施、その後その行動特性にあった最適な広告配信を行うものです。

 行動リターゲティングとは、行動ターゲティングの技術を活用して、ある広告主サイトに来訪したユーザーにクッキーを付与し、そのユーザーが特定のサイト及びネットワークに訪れた際にクッキー付与を実施した広告主の広告を配信するものです。

 広告メニュー体系に関しても、配信方式ではインプレッション保証型、クリック課金型、成果報酬型など、配信フォーマットではテキスト、バナー、動画、ウィジェットなど多種多様なものが用意されており、これらの組み合わせにより様々なニーズに対応することが可能となっています。

3.広告主主導での広告枠確保の仕組みが進んでいる

 米国では、広告主主導で広告枠を確保するということが進んでいます。日本ではまだあまり普及していない第三者配信サーバの利用とターゲティング技術の進化によって、「広告主サイトのデータを活用して広告配信を行うブラウザを特定する」という考え方が定着してきました。

 このような広告主主導の広告出稿には、アドネットワークの膨大なUU数というものが重要となってきます。なぜなら、広告主主導のターゲティングを実施する際は、掲載面ではなくブラウザが対象となるため、小規模なアドネットワークではマッチングが困難だからです。

 では、日本においてはどうなるのか、上記の米国事例を考慮し、日本市場への適合について考えてみたいと思います。

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