米Yahooの2人のトップエグゼクティブは、先行き不透明な会社の将来に光を投げかけるため、MicrosoftおよびGoogleとのベールに包まれた交渉を続けてきた。D6カンファレンスにおいて、Wall Street JournalのWalt Mossberg氏が米国時間5月28日、Yahoo最高経営責任者(CEO)のJerry Yang氏とYahoo社長のSue Decker氏に行ったインタビューでは、こうした交渉の内容や今後の進展に関して、新たに明らかにされたことは特になかった。
当然のことながら、Yang氏とDecker氏が、Microsoftとの交渉に関して、MicrosoftのBill Gates氏およびSteve Ballmer氏が、27日のD6のインタビューで語ってきた以上の内容を明らかにすることなど、だれも期待したりしていない。
Yang氏は、ほとんどの部分で、これまでMicrosoftとYahooの間でやり取りがあった公式書簡にて、すでに言及されている内容を繰り返すにとどめている。現在の交渉の状況については、Yang氏は 「両社のポジションを考えるに、われわれとしては、Microsoftが何を提案しようとしているのかを、よりよく理解しなければならない。われわれは、Microsoftの希望を汲みとるため、最善を尽くしている」と述べた。
Yang氏は、以前に進められていた買収に関する交渉で、Microsoftが交渉を打ち切り、買収案を撤回する決断を下したことを残念に思っているかのような印象さえ与えた。
「この人がこう言って、あの人がこう言ったと喧嘩する、まるで高校生の別れ話のようなものである。(過去に起こったことについて)後退して論じ合うのは建設的なことではない。(中略)ただ私は、事の展開に関して複雑な心境である。われわれは皆、両社が正しく力を合わせられるならば、非常に強力なパワーと影響力を行使できるようになると感じており、そのように理解していたのだ」と、Yang氏は語っている。さらにYang氏は、両社が交渉決裂に至る明確な単一要因など何もなかったと述べている。
Decker氏は、もっと率直に「われわれが価格交渉を打ち切ったのではない」と語った。
Yang氏は、Yahooが独立企業として、将来の見通しも良く、決して崩壊寸前の弱い存在ではないという点も強調した。「まるで四面楚歌で八方塞の状況に置かれていると、われわれのことをとらえるのは、まったく正しい見解ではない。Yahooが一独立企業として、多くの面で立派にやっていけることを、現在の展開は示唆している。現実に即した危機管理体制が整っているのだ。われわれがどのように事を進めるかが、重要なのである。Yahoo社内の士気と社風こそが、ある意味で最も重要であると考えている」と、Yang氏は述べた。Yahooは、今後もすばらしい製品を生み出し、前進し続けることができるし、前途の試練に立ち向かう体制が、2007年よりも一層整ってきているとも、Yang氏は語っている。「Yahooは本質的な面で、現在再定義されるに至っており、より強い企業となってきている」との分析を、Yang氏は示した。
Mossberg氏は、さらに踏み込んで、なぜYahooが、1株当たり33ドルというMicrosoftからの買収提示額を拒否したのかも尋ねた。
Yang氏は「(この件に関して)人々がどのように感じているのかを理解しているが、同時に、その提案を撤回したのはMicrosoftであり、われわれではなかったという点を伝えたい。われわれとしては、適正な条件下で取引を行うことにやぶさかではない。Microsoftが交渉を打ち切るとは、私は予想もしていなかった。今となっては、もう1度戻って、その買収案を呑むのか、呑まないのかを考えるということなどできない。私は、多くの株主との対話を通じて、われわれが株主に対して、どのような責務があるのかを理解するに至った。われわれが注力しているのは、直近の企業価値を高め、長期的にYahooを成功に至らせるには、何が必要であるかという点である。もし適切な方法が存在するならば、われわれは他の代替案も検討していきたいと考えているが、短期的な視点で行動を起こすつもりはない」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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