新興企業とベンチャーキャピタリストは多くの場合、潤沢な資金を得られる新規株式公開(IPO)か、何百万ドルという大金による買収対象となることを夢見ている。テクノロジの新興企業なら、Google、Yahoo、Microsoftから獲得に関する内部情報を聞けるとしたら、目を輝かせるのではないだろうか。
米国時間5月17日、カリフォルニア州サンタクララで開催された企業向けカンファレンス「TiEconに、先に挙げたインターネット巨大企業3社から企業開発の幹部が出席し、Shasta VenturesのマネージングディレクターTod Francis氏を交えて各社の買収戦略について話をした。Collins Stewartでインターネット研究上級アナリストを務めるSandeep Aggarwal氏が19日の研究ノートで、この議論を要約している。
Google:企業開発担当のバイスプレジデントを務めるDavid Lawee氏は、以前はXfireという企業の設立に参加した経歴の持ち主だ。Lawee氏は、新興企業はたとえば、YouTubeにおける動画やDoubleClickにおけるディスプレイ広告技術というように、それぞれの市場においてGoogleの先を行っている必要があるという。同氏によると、Googleは2007年、新興企業を19社買収したという(Wikipediaにある非公式なリストでは17社となっているので、2007年は少なくとも2件の買収が、一般には気づかれずに行われたことになる)。
Microsoft:企業開発担当のゼネラルマネージャーTivanka Ellawala氏によると、ソフトウェア企業であるMicrosoftは、同社の技術を増補できる広告プラットフォームと、オーディエンスを集めるネットワークを探しているという(Yahooにはどちらも備わっている気がする)。Ellawala氏はほかに、Microsoftによる最近の買収20件のうち10件がインターネット関係であること、また、同社が地図作製技術に関心を持っていることも語った。
Yahoo:全世界における合併買収を担当するシニアディレクターのMichael Burnett氏によると、インターネット企業であるYahooは新興企業へのスカウトの網を大きく広げているが、探しているのは「真に優良な企業」だという。2007年、同社は500社に目を向け、そのうち50社を最終候補リストに残し、そこから20社を精査し、最終的に9社を買収したとBurnett氏は語った(Wikipediaには6件の買収が掲載されている)。
MicrosoftとYahooの交渉が続けば、新興企業やベンチャーキャピタリストとしては買い手が1社減ることになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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